演題

PD05-7

IPMNに対する縮小手術の有用性と国際診療ガイドラインの悪性度指標に関する検討

[演者] 浅野 賢道:1
[著者] 平野 聡:1, 中村 透:1, 田中 公貴:1, 中西 喜嗣:1, 野路 武寛:1, 土川 貴裕:1, 岡村 圭祐:1, 七戸 俊明:1
1:北海道大学大学院 消化器外科学分野Ⅱ

【背景】IPMN/ MCN国際診療ガイドライン2012年版では,切除を考慮すべき臨床的指標としてHigh-risk stigmata(HRS)とWorrisome features(WF)が提唱された.また,教室ではこれまで非浸潤性病変と診断した症例に対して縮小手術を積極的に施行してきた.【目的】IPMNの切除成績を後方視的に検討し,縮小手術の有用性を明らかにするとともに切除の指標であるHRSとWFとの関係を検証した.【対象】1983~2016年までに教室にて切除したIPMN 108例.【方法】主膵管型(MD)は全例手術適応とし,分枝型(BD)は2009年以降,嚢胞径40mm以上,主膵管径10mm以上,有結節,細胞診陽性,有症状のいずれかを満たす症例を適応とした.また,縮小手術の適応は,画像診断上,浸潤所見および領域リンパ節の腫大を認めず,高度な膵炎の既往がないものとした.【結果】MD 24例,BD 84例であり,最終病理診断はdysplasia 79例,invasive carcinoma(IC)29例であった.5年全生存率は76%であり,5年および10年疾患特異的生存率(DSS)はともに91%であった.再発は8例(7%)にみられた.縮小手術は47例(44%)に施行した.内訳は,十二指腸温存膵頭切除 31例,膵中央切除 8例,膵実質全切除 3例,部分切除 3例,腹腔鏡下膵体尾部切除 2例であった.病理組織学的に6例(13%)がICと診断され,そのうち,微小浸潤症例1例に再発を認めた.縮小手術群の5年および10年DSSはともに97%であった.画像による詳細な検討が可能であった症例は96例(MD:23例,BD:73例)であり,これらをガイドラインに則り分類すると,HRS 59例(MD:19例,BD:40例),WF 24例(MD:4例,BD:20例),non-HRS/ WF症例(N)は13例(MD:0例,BD:13例)であった.最終病理診断がICであった症例は,HRS 23例(39%),WF 3例(13%),N 0例であった(p=0.003).WFでのIC 3例は全例,MDであった.縮小手術は,HRS 23例(39%),WF 10例(42%)に施行し,それぞれ3例,1例がICであった.【結語】IPMNに対する縮小手術の適応は概ね適切であった.また,HRSとWFによる分類は切除の指標として概ね有用であった.縮小手術の適応に関して,WFは良い適応であるが,MDの場合はICとしての手術を考慮すべき対象であることが示唆された.
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