演題

腫瘍内不均一性を有するAFP産生胃癌の1例

[演者] 太田 義人:1
[著者] 橋本 瑶子:1, 渡邊 良平:1, 角田 慎輔:1, 須之内 康太:1, 黒田 浩明:1, 篠原 靖志:1, 坂本 昭雄:1
1:さんむ医療センター 外科

症例は84歳の男性.2016年7月に吐血,タール便を主訴に受診した.腹部診察所見に異常はなかったが,直腸診でタール便を認めた.入院時検査所見ではHb9.3g/dlと軽度の貧血を認め, AFPが54.7ng/mlと高値であった.上部消化管内視鏡検査ではEGJ直下小弯に直径約2cmの辺縁不整な浅い潰瘍性病変を認め,生検の病理組織所見で低分化腺癌の診断となった.腹部造影CTでは胃体上部小弯に直径約2cmの腫大したリンパ節を認めた.腫大リンパ節はMRI拡散強調画像で高信号であった.以上の所見からリンパ節転移を伴う胃癌の診断となり,腹腔鏡下胃全摘術およびD2-No10郭清,Roux-en-Y再建を施行した.手術時間は203分,出血量は少量であった.術後経過良好で第21病日退院となった.摘出標本の病理組織所見では低分化腺癌と中分化管状腺癌が混在しており,AFP陽性細胞はごく少量認めるのみであった.壁深達度は粘膜下層で,No1リンパ節に2個の転移を認めたため,最終診断はT1b,N1(2/15),M0,StageIBとなった.2個のリンパ節転移巣のうち,一方はAFP陰性の中分化管状腺癌で,もう一方はAFP陽性の低分化管状腺癌の組織像を呈していた.腫瘍内不均一性を有するAFP産生胃癌の1例を経験したので報告する.
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