演題

腹腔鏡下大腸切除の検体摘出創における腹壁瘢痕ヘルニアの発生率およびリスク因子の解析

[演者] 小林 壽範:1
[著者] 稲田 涼:1, 大石 賢玄:1, 繁光 薫:1, 向出 裕美:1, 尾崎 岳:1, 道浦 拓:1, 井上 健太郎:1, 權 雅憲:1, 濱田 円:1
1:関西医科大学附属病院 消化器外科

【緒言】大腸切除における腹壁瘢痕ヘルニアは,開腹手術と腹腔鏡手術とで同等の発生率であるとの報告があり,依然として大きな問題である.今回我々は,腹腔鏡下大腸切除における腹壁瘢痕ヘルニアの発生率およびリスク因子を検討した.
【対象と方法】腹壁瘢痕ヘルニアは,術後6ヶ月以後のCTにて,検体摘出に用いた傍臍正中切開部の筋膜欠損および腹腔内容物の脱出を判定した.2014年1月から2015年12月の間に,当科で大腸腫瘍に対して腹腔鏡下大腸切除を行いCTでフォローを行った294例を対象とした.
【結果:連続変数は中央値(範囲)】294例の年齢71歳(40-99),男性/女性:175/119例,BMI 22.7kg/m2(14.9-47.3),ASA-PS 1,2/3,4:256/38例,PNI 50.6(23-67),DM59例,呼吸器疾患21例であった.最大腫瘍径37mm(0-100),Stage 0,I/II,III,IV:113/181例であり,36例にStomaを造設し,また19例に小開腹創の術後SSIを認めた.294例のうち40例(14%)にCTにて腹壁瘢痕ヘルニアの合併を認め,1例(0.3%)に待期的に修復術を要したが,嵌頓などによる緊急手術に至った症例は認めなかった.ヘルニアのリスク因子に関して多変量解析した結果,女性,BMI,呼吸器疾患,SSIが腹壁瘢痕ヘルニア合併の独立リスクとなった(Table).
【結語】今回の検討では,腹腔鏡下大腸切除後の腹壁瘢痕ヘルニアは14%に認めた.またSSIの予防はヘルニアの予防の観点からも重要であるとともに,ヘルニアを合併しにくい閉創方法の確立が求められる.

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