演題

腹腔鏡下大腸切除術後に発症したイレウス症例の検討

[演者] 青木 泰孝:1
[著者] 大沼 忍:1, 唐澤 秀明:1, 渡辺 和宏:1, 青木 豪:1, 阿部 友哉:1, 長尾 宗紀:1, 武者 宏昭:1, 内藤 剛:1, 海野 倫明:1
1:東北大学大学院 消化器外科学

目的:腹腔鏡下大腸切除術後イレウス発症の予測因子を探る.方法:2008年2月から2016年6月に施行した腹腔鏡下大腸切除術338例(男性196例,女性142例)が対象.手術から退院後60日以内に発症したイレウス症例を抽出,年齢,性別,BMI,ASA,手術時間,術中輸液量,出血量,Stageについてイレウス群と非イレウス群で比較検討した.なお,イレウスの定義は,腹部レントゲンで小腸拡張を認め,かつ嘔気・嘔吐・腹満などの症状を有する症例とした.結果:338例中イレウスは30例(8.9%)に認めた.原発部位別では,結腸癌は14例,直腸癌は16例であった.入院中発症は25例,退院後発症は5例であった.なお,機械的イレウスは3例に見られ,絞扼性イレウス1例,吻合部狭窄2例であった.
男女比は,イレウス群で,男性21人(70%):女性9人(30%),非イレウス群で,男性174人(56%):女性134人(44%),年齢(平均)は,イレウス群:68.2 ± 1.9歳 vs 非イレウス群:66.7 ± 0.7歳であり,性差,年齢に有意差は認めなかった.イレウス群における術式の内訳は,右(半)結腸切除:8例(26.6%),横行結腸切除:1例(3.4%),左結腸・S状結腸切除:5例(16.8%),直腸切除:8例(26.6%),括約筋間直腸切除術:8例(26.6%)であった.左側大腸癌症例がイレウス発症全体の70%を占めた.なお,イレウス発症までの期間は,結腸群11.4 ± 4.2 (日),直腸群は5.2 ± 1.1 (日)であった.保存療法により28例(93%)はイレウスの改善が認められたが,2例(7%)は保存的加療が奏功せず手術を行った.周術期因子における検討では,イレウス発症群は非イレウス群に比較して,有意に手術時間が長く(294 ± 17.5分 vs 228 ± 4.2分,p = 0.001),出血量が多かった(104.0 ± 20.7 ml vs 55.1 ± 5.3 ml,p =0.03).さらに結腸群において,高BMI症例ではイレウス発症が有意に多かった(24.8 ± 0.8㎏/m2 vs 22.9 ± 0.2 ㎏/m2,p = 0.04).
結語:手術時間,出血量,BMIは,腹腔鏡下大腸切除後術後イレウス発症の予測因子である可能性が示唆された.
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