演題

腹腔鏡補助下大腸切除術における新規皮膚消毒薬オラネキシジンのSSI予防効果に関する検討

[演者] 林 正吾:1
[著者] 高橋 卓嗣:1, 杉山 史剛:1, 吉田 光一:1, 清水 三矢:1, 大西 英二:1, 林 直美:1, 松下 英信:1, 大河内 治:1, 川瀨 義久:1
1:公立陶生病院 外科

【はじめに】腹腔鏡手術の普及に伴い大腸切除術におけるSSI発生率は減少傾向にあるとされるが,上部消化管手術に比べると依然として高い.従来,SSI予防の術前皮膚消毒薬としてポピドンヨードやクロルヘキシジンアルコールが重要な役割を担ってきたが,ポピドンヨードは乾燥を待たねばならない不便さや化学熱傷のリスクがあり,クロルヘキシジンアルコールはアルコールかぶれのリスクがある.2015年に承認された新規の皮膚消毒薬であるオラネキシジンは短時間で乾燥し,アルコールを含有しない.今回我々はオラネキシジンの腹腔鏡補助下大腸切除術におけるSSI予防効果を検討した.【対象・方法】当院で腹腔鏡補助下大腸切除術を施行した患者のうち,ポピドンヨードを使用していた2015年4月から2016年3月までの群と,オラネキシジンを使用した2016年4月から11月までの群をretrospectiveに比較検討した.【結果】ポピドンヨード群は119例で,平均年齢70.9歳(41~94歳),男性81例(68%),平均手術時間4時間22分(1時間55分~9時間11分),平均出血量78.2ml(0~1350ml),直腸切除30例(25%),平均BMI:22.7(15.7~35.5)であった.オラネキシジン群は62例で,平均年齢69.5歳(36~88歳),男性37例(60%),平均手術時間4時間04分(1時間17分~6時間38分),平均出血量43.7ml(0~310ml),直腸切除18例(29%),平均BMI:22.8(17~32.3)であった.両群ともに予防的抗菌薬としてCMZ1gの執刀直前の投与と,術中3時間毎の追加投与を行っていた.SSI発生数はポピドンヨード群6例(5.0%)に対してオラネキシジン群2例(3.2%)となり,オラネキシジン群で少ない印象を受けたが有意な差を認めなかった(p=0.44).SSI発生群と非発生群を比較してロジスティック解析を行うとBMIで有意差を認めた(OR:1.36 (95% CI: 1.13-1.62)).【結語】腹腔鏡補助下大腸切除術におけるオラネキシジンのSSI予防効果はポピドンヨードに劣らないといえる.
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