演題

PD05-4

2012年IPMN国際診療ガイドラインの検証 -"worrisome features"を呈するBD-IPMN -

[演者] 清水 泰博:1
[著者] 山上 裕機:2, 真口 宏介:3, 廣野 誠子:2, 千田 嘉毅:1, 夏目 誠治:1, 柳澤 昭夫:4
1:愛知県がんセンター中央病院 消化器外科, 2:和歌山県立医科大学医学部 外科学第二教室, 3:手稲渓仁会病院 消化器病センター, 4:京都第一赤十字病院病理診断科

【目的】2012年ガイドラインで悪性の疑いを示すworrisome features (WF)を有するBD-IPMNの治療方針を検討した.
【対象】1996年~2014年に3施設でCT,EUSを施行し切除したIPMN 466例を対象とした.
【方法】術前検査で壁在結節径はEUS測定を必須,主膵管径(MPD)と嚢胞分枝径(BPD)はCT測定値を全例で採用した.良悪性の病理診断が問題となる症例はcentral reviewをおこなった.①ガイドラインに準じMPD≧5mmをMD-IPMN,BPD≧5mmをBD-IPMN,両者の基準に合致するものをMix-IPMNと分類して病理所見を比較した.②BD-IPMNで年齢,性,症状,術前血液検査値(アミラーゼ,CA19-9,CEA),画像所見 (部位,主膵管径,嚢胞分枝径,結節径)の10因子を解析し,癌予測因子をretrospectiveに検討した.③BD-IPMNでWFとされるBPD≧30mmの症例で結節の有無,サイズと病理所見について検討した.
【結果】①MD-IPMN 70例(癌39例,56%),Mix-IPMN 240例(癌154例,64%),BD-IPMN 156例(癌65例,42%)で,MD-,Mix-IPMNは BD-IPMNに比し有意に癌症例が多かった(p=0.05,p<0.0001).
②BD-IPMN156例の多変量解析では結節径(p<0.0001),BPD(p=0.0004) が独立した予測因子で,ROC解析でのAUCは各々0.743,0.726であった.
③BD-IPMNでWF有り(BPD≧30mm)は78例(癌45例,58%)で,WF無しの78例(癌20例,26%)に比し有意に癌症例が多かった(p<0.0001).WF有り78例のEUS所見は結節有り54例(癌37例,69%),結節無し24例(癌8例,33%)で,結節有りは無しに比し有意に癌症例が多かった(p<0.004).WF有り78例のEUSによる癌診断能(sensitivity /specificity /accuracy)は結節の有無で82%/48%/68%,結節径7mmをカットオフ値とすると76%/73%/74%であった.WF有り78例の中で結節の無い癌が8例(8/45=17%)存在し,病理所見は非浸潤癌6例,浸潤癌2例であった.
【結論】BD-IPMNでWF有りの症例は,ガイドラインに準じEUSを施行し結節の有無で手術適応を決定することは妥当と思われた.結節のサイズを考慮すると診断能はさらに向上する可能性が考えられた.結節の無い癌症例が存在し,これらの診断と取扱いは今後の課題である.
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