演題

大腸癌根治切除術後フォローアップ中に発見された重複癌症例の検討

[演者] 米山 文彦:1
[著者] 木村 充志:1, 芥川 篤史:1, 加藤 祐一郎:1, 尾辻 英彦:1, 清板 和昭:1, 長谷部 圭史:1, 秋田 由美子:1, 桒原 聖実:1, 河野 弘:1
1:名古屋掖済会病院 外科

消化器癌根治切除症例については通常5年間の再発検索のためのフォローアップを行うが,その経過中に重複癌が見つかることもまれではなく,治療方針の決定には第一癌の再発リスクを含めた総合的な判断が必要となる.2008年から2016年までの間に当科で経験した大腸癌根治切除例で,術後5年以内の再発フォローアップ中に重複癌が発見された17例につき治療とその後の転帰等につき検討した.なお,異時性多発大腸癌の発生は今回の検討からは除外した.
【対象と結果】対象症例は男性10例,女性7例で大腸癌手術時の年齢は66歳から83歳,平均72歳であった.2例で大腸癌手術時に異時性の他癌重複の既往があった.大腸癌の局在は直腸9例,横行結腸3例,上行結腸3例,盲腸2例であった.癌の進行度は病期0:2例,Ⅰ:4例,Ⅱ:5例,ⅢA:4例,ⅢB:2例であり,術後補助化学療法は6例で行われた.大腸癌手術から他癌診断までの期間は3か月から4年10か月であり,診断の契機となった症状があったのは2例で,残り15例は画像の異常や腫瘍マーカー上昇等を契機に発見された.他癌診断時までに大腸癌の肝転移再発を認めた症例が1例あったが根治的に肝切除されており,その他の症例は大腸癌再発を認めていなかった.他癌の癌腫は肺癌7例,膵癌3例,乳癌2例,肝細胞癌,尿管癌,十二指腸癌,白血病が各1例,頭頸部癌食道癌重複発症が1例であった.患者希望により他院転院となった1例を除き,治療の選択は関係診療科と協議のうえ決定し10例で根治的切除が行われ,内訳は肺癌4例,膵癌3例,乳癌2例,尿管癌1例であった.その他の6症例は化学療法が選択され,内訳は肺癌3例,頭頸部食道重複癌と白血病が各1例 肝細胞癌に対する動脈化学塞栓術1例であった.他癌の発見からの経過期間は,術後合併症死亡1例と他院転院2例を除き,2か月から3年8か月で,6例は大腸癌・他癌ともに無再発である.大腸癌での死亡例はなく4例が他癌のため死亡していた.現時点での担癌生存患者は4例でうち1例が大腸癌の治療を,3例が他癌の治療を継続中である.
【結語】大腸癌術後フォロー中に診断した重複癌はフォロー中の画像や腫瘍マーカーの異常を契機に発見されることが多く,術後サーベイランスに関して重複癌の発生も念頭に置いて対応すべきである.
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