演題

大腸癌におけるE/N Cadherin発現の臨床的意義

[演者] 徳田 彩:1
[著者] 三宅 亨:1, 生田 大二:1, 清水 智治:1, 園田 寛道:1, 植木 智之:1, 飯田 洋也:1, 貝田 佐知子:1, 山口 剛:1, 谷 眞至:1
1:滋賀医科大学附属病院 消化器外科

【背景と目的】上皮間葉転換(EMT)は上皮から間葉系様の細胞へと変化するプロセスであり,上皮細胞が細胞接着能を失い,遊走能を得ることで,癌の浸潤・転移に関わっているとされている.
【方法】2014年4月-2015年12月までに手術を施行した原発性大腸癌(T2-T4: 93例)のE/N-Cadherin発現と臨床病理学的因子および再発・予後との関連を検討した.
【結果】E-Cadherin染色では55例(59.1%)が陽性(E+)であり,N-Cadherin染色19例(20.4%)が陽性(N+)だった.E+群ではE-群と比較して壁深達度の浅い症例が多く,静脈侵襲(E+ 67.2%,E- 89.5%: p=0.013),神経侵襲(E+ 49.0%,E- 81.1%: p=0.002),リンパ節転移(E+ 36.4%,E- 63.2%: p=0.011)が少なかった.N+群は,リンパ節転移(N+ 73.7%,N- 40.5%: p=0.011),肝転移(N+ 26.3%,N- 5.4%: p=0.006),肺転移(N+ 15.8%,N- 1.4%: p=0.006),播種(N+ 15.8%,N- 2.7%: p=0.024)が多く,Stageも進行例を多く認めた.組織型は分化型87例,未分化型6例で,EcadとNcadと関連を認めなかった.また全症例の2年累積生存率は89.2%だった.多変量解析で壁深達度(HR8.832,p=0.010)のみが独立した予後因子で,E/N Cadherinとの関連はなかったが,E/N Cadherin発現により4群に分類すると,2年生存率はE+N+ 83.3%,E+N- 100%,E-N+ 71.4%,E-N- 80.6%で,E+N-群は他群に比し有意に予後が良好であった(p=0.006).
【結語】Ecad陽性Ncad陰性群の上皮傾向の大腸癌では予後が良好であった.E-Cadherin発現低下またはN-Cadherin発現増加はEMTを反映し,大腸癌の予後に関与している可能性があると考えられた.

詳細検索