演題

進行再発大腸がんにおけるLINE-1メチル化の化学療法効果予測や予後因子としての有用性

[演者] 金子 真美:1,2
[著者] 伴登 宏行:1, 小竹 優範:2,3, 源 利成:2
1:石川県立中央病院 外科, 2:金沢大学がん進展制御研究所 腫瘍制御, 3:厚生連高岡病院 外科

【はじめに】Long Interspersed Nucleotide Element-1 (LINE-1)の低メチル化は大腸癌における予後不良因子と考えられているが,進行再発大腸癌における意義は不明である.また,oxaliplatinの効果との関連性についても不明な点が多い.LINE-1の低メチル化と進行再発大腸癌の予後,また5FU/oxaliplatin併用療法の効果との関連性について検討した.
【方法】術後にFOLFOX療法施行歴のある進行再発大腸癌の原発巣41検体のFFPE切片を使用した.PFSおよびOSはKaplan-Meier法にて評価した.LINE-1メチル化レベルはMethyLight assayにて測定した.また,大腸癌細胞株(SW480, Caco2, HCT116, RKO)を用いて,FAIRE法によりoxaliplatinによるLINE-1メチル化の変化,リン酸化ヒストンH2AXを用いたDNA二重差切断検出法にて5FUおよびoxaliplatinによる細胞障害について検討した.
【結果】LINE-1のメチル化はステージII,III症例の以前の報告よりも全体に低値であり,高メチル化例は認めなかった.特に低メチル化の強い群で5FU/oxaliplatin併用療法の効果が乏しい傾向がみられた(p=0.182).また,5FU/oxaliplatin併用療法開始後のPFS(中央値 9.4 ヶ月vs 6.6ヶ月; p=0.02),OS(中央値 23.2ヶ月vs 16.6ヶ月; p=0.01)ともに低メチル化群で有意に不良であった.多変量解析でも,LINE-1の低メチル化は独立した予後不良因子であった(p=0.018).大腸癌細胞株の検討ではoxaliplatin投与にてLINE-1発現細胞株であるSW480ではLINE-1スコアは上昇を示し,5FUの増強効果を認め,その効果は48時間,120時間経過後も持続した.
【結語】進行再発大腸癌においてもLINE-1の低メチル化は独立した予後不良因子であり,FOLFOX療法の効果不良予測因子となりうる.LINE-1メチル化の臨床的な有用性およびそのcutoff値については今後前向き研究にてさらなる検討が必要である.
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