演題

大腸癌におけるTGF-β signal pathway遺伝子変異と臨床病理学的特徴

[演者] 小柳 英人:1
[著者] 島田 能史:1, 亀山 仁史:1, 市川 寛:1, 永橋 昌幸:1, 田島 陽介:1, 岡村 拓磨:1, 中野 雅人:1, 坂田 純:1, 若井 俊文:1
1:新潟大学大学院 消化器・一般外科学

【背景】固形癌において,TGF-β signaling pathwayの遺伝子変異は,上皮間葉転換および癌幹細胞性を促進することにより,癌細胞の転移能獲得や薬物療法耐性に関与するとされている.【目的】大腸癌におけるTGF-β signaling pathway遺伝子変異とその臨床病理学的特徴を明らかにすること.【対象・方法】2007年から2015年に原発巣切除を行ったStage I-IV大腸癌201例について,次世代シーケンサー(435遺伝子パネル)を用いて,各々の癌の遺伝子変異を解析した.遺伝子変異の頻度の高いTGF-β signaling pathwayの遺伝子変異(ACVR2A,TGFBR2,SMAD2,SMAD4)と臨床病理学的特徴との関係を統計学的に解析した.【結果】ACVR2AとTGFBR2変異はTumor infiltrating lymphocytesおよびMLH1/MSH2欠損と有意な関連を認めた(P < 0.001).一方,SMAD2とSMAD4変異は腫瘍径50mm以上と有意な関連を認め,さらにSMAD4はN因子(P = 0.037)およびM因子(P = 0.028)と有意な関連を認めた.【結論】ACVR2AとTGFBR2変異はミスマッチ修復遺伝子異常と関連し,SMAD2とSMAD4変異は,局所進展や転移との関連が示唆された.TGF-β signaling pathwayにおいてレセプターであるACVR2AおよびTGFBR2と,その下流に位置するSMAD2およびSMAD4に対しては,異なる治療戦略の構築が必要である.

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