演題

当院における大腸神経内分泌腫瘍の検討

[演者] 宮成 淳:1
[著者] 秋吉 高志:1, 長嵜 寿矢:1, 小西 毅:1, 藤本 佳也:1, 長山 聡:1, 福長 洋介:1, 上野 雅資:1
1:がん研究会有明病院 消化器外科

【緒言】
消化器領域における神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:以下NET)は結腸,直腸の新生物の0.4%と言われており,全消化管のNETのうち27%はS状結腸から直腸に認められる.2010年のWHO分類からKi67と核分裂像によりNET G1,NET G2,NECに分類された.また,腺内分泌細胞癌のうち腺癌と神経内分泌腫瘍の成分が各々30%以上存在するものはmixed adenoneuroendocrine carcinoma(以下 MANEC)と命名された.今回我々は当院で手術を施行した大腸神経内分泌腫瘍について検討したので報告する.
【対象と方法】
2010年1月~2015年12月に当院で手術を施行した大腸神経内分泌腫瘍74例を対象とし,WHO2010分類に基づきNET G1,NET G2,NEC,MANECに分類した.患者背景,臨床病理学的因子,施行治療,予後等を評価した.
【結果】
74例(男性48例,女性26例)を対象とした.平均年齢は,52.2歳(21~72歳).NET G1: 62例(男性40例,女性22例),NET G2: 4例(男性2例,女性2例),NEC: 2例(男性1例,女性1例),MANEC: 6例(男性5例,女性1例)であった.腫瘍の局在についてだが,NET G1,NET G2,MANECではそれぞれ95.1%,75%,83.3%で直腸に認めたが,NECでは2例とも結腸であった.腫瘍径の平均値(mm)はNET G1: 11.4mm,NET G2: 11.5mm,NEC: 65.0mm,MANEC: 53.3mmであった.深達度はNET G1は91.9%でSMであり,NET G2は75%でMP以深,NECは2例ともSS以深,MANECは66.7%でSS以深であった.リンパ節への転移はNET G1: 27.4%,NET G2: 50.0%,NEC: 100%,MANEC: 66.7%であった.予後に関してはNET G1(1例:他病死),NET G2は全例生存していたが,NECでは2例中1例に原病死していた.MANECでは3例原病死していたが,術前化学療法にてpCRとなった症例もみられた.
【結語】
今回,当院で手術を施行した大腸神経内分泌腫瘍について検討した.WHO2010分類は悪性度を反映していた.NET G1,G2は予後良好であったが,NECは予後不良であった.MANECの定義に関して,神経内分泌腫瘍成分の異型については言及していない.つまりNET G1,G2,NECいずれでも30%の条件を満たせばMANECと診断となり得る.そのため,MANECは悪性度に差があると考えられた.今後,さらなる症例の蓄積と治療法の検討が必要である.
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