演題

当院における大腸神経内分泌腫瘍11例の検討

[演者] 酒井 淳:1
[著者] 山岸 茂:1, 木村 安希:1, 山田 淳貴:1, 阿部 有佳:1, 中堤 啓太:1, 山本 晋也:1, 牧野 洋知:1, 上田 倫夫:1, 仲野 明:1
1:藤沢市民病院 外科

【背景】大腸神経内分泌腫瘍は比較的稀な疾患であり,補助化学療法や集学的治療の有効性等,いまだ検討すべき点は多い.
【対象と方法】2007年1月から2016年4月までに当院で経験した大腸内分泌腫瘍11例を対象とした.
【目的】大腸神経内分泌腫瘍の自験例11例について,治療や予後をretrospectiveに解析した.
【結果】年齢の中央値は67(53-81)歳,男性6例,女性5例であった.腫瘍局在は,Rb 6例,Ra 1例,Rs 1例,A 2例,T 1例であり,2010年WHO分類では,NET G1 6例,NEC 5例であった.NET G1症例では腫瘍径は中央値6(3~10)mmで,いずれも内視鏡的粘膜切除術が施行された(根治度EA).1例はリンパ管侵襲陽性であり外科的追加切除が施行された.NET G1の6例は全例無再発生存中である(観察期間中央値7年0ヶ月).NEC 症例では,腫瘍径は中央値44.1(20~60)mmで,初診時のTNM cStageはII:1例,Ⅲ:1例(IV:3例,肝:1例,大動脈周囲リンパ節:1例,鼠径リンパ節:1例,卵巣:1例,腹膜播種:1例,重複あり)であった.StageII症例は根治切除後に術後補助化学療法(FOLFOX 7kur)を施行し,3年4ヶ月無再発生存中である.StageⅢ症例は治癒切除を行ったが,術後4ヶ月で他病死した.StageⅣ症例は 3例中2例で原発巣切除を施行した.原発巣切除の1例は二期的に肝切除を施行しR0を得た.他の1例は術後早期の全身転移により術後3ヶ月で原病死した.StageⅣ症例に対する化学療法の内訳は,ZELOX+Bevが1例,FOLFOX+ Bevが2例だった.StageⅣ症例の平均生存期間は306日と不良であった.
【結語】NETG1症例では内視鏡治療などの局所治療が有効であり,脈管侵襲陽性症例でも追加切除により良好な予後を得られる可能性がある.NECは,治癒切除症例では予後が期待できるが,非治癒切除例は極めて予後不良であり,有効な化学療法レジメンを含めた集学的治療の確立が必要であると考えられた.
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