演題

大腸神経内分泌細胞癌の4例

[演者] 福岡 秀敏:1
[著者] 山口 広之:1, 村岡 昌司:1, 小松 英明:1, 内田 史武:1, 吉元 崇文:1, 西牟田 雅人:1, 関根 一郎:1
1:JCHO 諫早総合病院 外科

【はじめに】大腸の神経内分泌細胞癌(neuroendocrine carcinoma,以下NEC)の発生頻度は原発性大腸癌の0.2%程度と稀な疾患であり,早期にリンパ節転移や遠隔転移をきたし予後不良とされている.今回我々はNECの4例を経験したので報告する.【症例】症例は65~85歳,男性3例,女性1例.原発部位は上行結腸1例,S状結腸2例,直腸1例であった.全例にリンパ節郭清を伴う定型的大腸切除術を施行した.病理組織学的にWHO2010分類でNEC:3例,MANEC(Mixed adenoneuroendocrine carcinoma):1例であった.原発巣切除時の進行度はpStageⅠが2例,pStageⅡが1例,pStageⅢaが1例であり,StageⅣの症例はなかった.StageⅠの2症例が再発をきたし,1例は術後7ヶ月目に多発肝転移・肺転移を認め,本人化学療法の希望なく術後9ヶ月目に死亡し,1例は術後4ヶ月目にリンパ節再発をきたし現在CBDCA+VP16による化学療法施行中である.またStageⅡ症例は5年間再発なく経過.StageⅢa症例は,胆嚢癌も合併した重複癌であり,術後補助化学療法施行し術後3か月生存中である.【考察】神経内分泌細胞癌の予後は非常に悪く,1年生存率が10-15%,平均生存期間が6ヶ月程度とする報告もある.今回我々が経験した症例では手術時StageⅠであったにもかかわらず早期に再発した症例がある一方,StageⅡの症例では術後補助化学療法なしに術後5年の生存が得られた.StageⅢの症例に関しては観察期間が短いため今後の厳重なfollow upが必要であるがNECの診断がついた時点で手術療法+化学療法の集学的治療が必要と思われる.膵・消化管神経内分泌腫瘍診療ガイドライン(2015年)によれば小細胞肺癌の治療に準じた白金製剤をベースとする併用療法が推奨度グレードC1となっているが,保険未承認である問題がある.近年,Bevacizumabが奏効した症例の報告もあり,若干の文献的考察を加え報告する.
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