演題

呼吸器障害合併大腸癌に対して硬膜外併用脊椎麻酔で根治切除を施行した4例

[演者] 今村 宏輝:1
[著者] 賀川 義規:1, 加藤 健志:1, 内藤 敦:1, 村上 剛平:1, 桂 宜輝:1, 大村 仁昭:1, 竹野 淳:1, 武田 裕:1, 田村 茂行:1
1:関西労災病院 外科

高齢者の増加に伴い,高齢者に対しての大腸癌手術は増加傾向である.大腸癌手術において根治性だけでなく機能性も重要である.しかしながら,高齢者は主要臓器の機能低下を有していることが多く,術後呼吸機能の低下の頻度が高いとされている.今回,我々は呼吸器障害を合併した高齢者大腸癌4例に対して,気管挿管を行わずに硬膜外併用脊椎麻酔で開腹手術を施行したので報告する.
【症例1】70代,男性,全周性狭窄を伴うS状結腸癌.既往歴に肺気腫,在宅酸素療法導入中,呼吸機能:混合性障害,%VC :43.6, FEV1.0 :43, ASA: 3,Hugh-Jones分類:4術式:S状結腸切除術,手術時間:1時間31分,出血量:130ml,根治度A,術後合併症:表層手術部位感染,術後在院日数:28日
【症例2】80代,男性 S状結腸癌全周性狭窄.既往歴:肺気腫,呼吸機能:混合性障害,%VC :40.8, FEV1.0 :39.9, COPD重症度分類:3 Hugh-Jones分類:4,術式:S状結腸切除術,手術時間:111分,出血量:50ml,根治度A,術後合併症なく,術後在院日数:8日.
【症例3】:80代,女性,全周性狭窄を伴うS状結腸癌,甲状腺癌による主気管狭窄があり挿管困難.呼吸機能:%VC :89.5, FEV1.0 :70.2,ASA: 3, Hugh-Jones分類:3,術式:S状結腸切除術,手術時間:103分 出血量:10ml根治度A,術後在院日数:10日
【症例4】89歳,女性 上行結腸癌による腸閉塞,嘔吐に伴う誤嚥性肺炎を両側の肺野全体に併発.術式:右半結腸切除術,手術時間:61分,出血量:30ml,根治度A,術後合併症なし.術後在院日数:11日
【まとめ】S状結腸切除術3例と右半結腸切除術1例を硬膜外併用脊椎麻酔で施行した.手術時間は平均91.5分,出血量は平均55mlであった.術後合併症は創感染1例.術後呼吸器合併症は認めず術後在院日数は平均14.25日であった.気管挿管を行わない硬膜外併用脊椎麻酔は呼吸器障害をみとめる場合の有用なオプションとなりうる.
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