演題

Stage IV大腸癌における右側局在の予後因子としての意義

[演者] 高倉 有二:1
[著者] 池田 聡:1, 荒田 了輔:1, 大下 航:1, 徳本 憲昭:1, 大下 彰彦:1, 眞次 康弘:1, 中原 英樹:1, 漆原 貴:1, 板本 敏行:1
1:県立広島病院 消化器外科

【目的】近年,切除不能進行大腸癌の臨床試験において右側局在が予後不良因子であるという報告が散見される.右側結腸癌の臨床的特徴と他部位と比較した予後について検討した.
【方法】1995-2013年に当院で外科治療を施行した結腸直腸癌275例.右側(盲腸~横行結腸)癌 80例と左側(下行結腸~直腸)癌195例の2群に分けて検討した.また,治療内容別に,緩和的原発巣切除やストーマ造設のみを行った支持療法(BSC)群,化学療法(CT)群,転移巣を含めた治癒外科切除(CurB)群の3群に分けても検討を行った.観察期間中央値20カ月.
【成績】(全症例での解析)右側癌は左側癌と比べ,高齢で,女性が多く,腹膜播種症例の比率が高い傾向があった.生存期間中央値(MST)は19.8ヶ月.右側癌,左側癌のMSTはそれぞれ15.0ヶ月,20.7ヶ月(p=0.67)で有意差を認めなかった.(治療内容別に検討)治療の内訳は,緩和的原発巣切除やストーマ造設のみを行った支持療法(BSC)群70例(右22例,左48例),化学療法(CT)群 121例(右32例:左89例),転移巣を含めた治癒外科切除(CurB)群 84例(右26例:左58例)(うち化学療法未実施は12例)であった.BSC群,CT群,CurB群それぞれにおいて,右側群と左側群の患者背景に大きな差はなかった.腫瘍局在別の右側,左側癌それぞれのMSTは,BSC群で8.6ヶ月,5.0ヶ月(p=0.06), CT群で11.0ヶ月,20.8ヶ月(p<0.01),CurB群で5年生存率がそれぞれ61.5%,48.0%(p=0.19)でBSC,CurB群では両群間に生存率の差を認めず,CT群でのみ,右側癌は左側癌と比べ有意に予後不良であった.また,症例数は少ないものの,CurB症例の腫瘍局在と化学療法の有無による5年生存率を比較すると,化学療法の有無でそれぞれ右側:60.3%,66.7%(p=0.77),左側:55.7%,0%(p<0.01),左側にのみ化学療法による予後の延長効果を認めた.
【結論】Stage IV症例全体では,腫瘍局在による予後の差は明らかでなかったが,CT群でのみ右側は有意に予後不良であった.BSC群やCurB群では両群間に差を認めず,切除不能化学療法施行症例で腫瘍局在による予後の差を認めた事から,右側局在は化学療法抵抗性に関与している可能性が示唆された.
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