演題

結腸癌の臨床病理学的特徴に関する腫瘍局在別検討

[演者] 安部 紘生:1
[著者] 梶原 由規:1, 神藤 英二:1, 平木 修一:1, 守屋 智之:1, 青笹 季文:1, 辻本 広紀:1, 長谷 和生:1, 山本 順司:1, 上野 秀樹:1
1:防衛医科大学校病院 第1外科

【背景・目的】
結腸は系統発生的に右側と左側で異なり,右側結腸癌と左側結腸癌には腫瘍学的相違が存在するとの報告が相次いでいる.今回,予後を含めた臨床病理学的因子の両者の相違について解析を行なった.
【方法】
2008年~2014年の間に根治切除術を施行したStage I~III結腸癌症例のうち,横行結腸癌を除く518例(右側結腸195例,左側結腸323例)を対象とし,臨床病理学的因子と無再発生存期間についてretrospectiveに検討を行った.
【結果】
[1 腫瘍局在と臨床病理学的因子との関連]
右側と左側で性別に有意差を認めなかったが,右側では有意に高齢であった(平均年齢:右側70.2±9.4歳,左側67.4±11.4歳,p = 0.0029).壁深達度は両 群で有意差は認めなかったが,リンパ節転移は,右側27.2%,左側40.3%と左側に有意に多かった(p = 0.0023).脈管侵襲については,リンパ管侵襲は両側で有意差は認めなかったが(ly2/3:右側18.0%,左側17.7%,p = 0. 93 ),左側では静脈侵襲が高度な症例が有意に高率であった(v2/3:右側23.6%,左側31.9%,p = 0.041).簇出は右側でG1/G2/G3 = 50.8%/27.2%/22.0%,左側でG1/G2/G3 = 51.4%/29.4%/19.2%と両群間で有意差は認めなかった.
[2 腫瘍局在と無再発生存期間]
各Stageにおける腫瘍局在ごとの5年無再発生存率(RFS)は,Stage I症例(右側62例/左側79例 = 94.6%/94.5%,p = 0. 80 ),Stage II症例(右側80例/左側113例 = 91.8%/80.9%,p = 0.33)に有意差を認めなかった.一方,Stage III症例においては,右側(53例) 56.2%,左側(131例) 69.5%と右側結腸癌の予後は有意に不良であった(p = 0.043).また,簇出のGrade別に左右を比較すると,G1・G2では局在ごとのRFSに有意差を認めなかったが,G3ではRFSが右側62.4%,左側75.2%と右側で予後不良であった(p = 0.037).リンパ管侵襲においても同様の傾向を認め,ly2/3症例に限ると,右側結腸癌の予後は有意に不良であった(5年RFS, 右側56.6% vs 左側79.5%; p = 0.023).
【結語】
右側結腸癌と左側結腸癌は臨床病理学的因子に差異があり,Stage III症例,簇出高度症例,リンパ管侵襲高度症例といった病理学的高悪性度症例では右側で有意に予後不良であった.
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