演題

当院における結腸癌治療成績の左右差解析

[演者] 長嵜 寿矢:1
[著者] 秋吉 高志:1, 小西 毅:1, 藤本 佳也:1, 長山 聡:1, 福長 洋介:1, 上野 雅資:1
1:がん研究会有明病院 消化器外科

【背景】
大腸は脾弯曲部より近位が中腸由来,遠位は後腸由来の発生をしており,様々な生物学的背景因子が異なる可能性がある.近年,大腸癌原発部位の左右によって,予後や変異遺伝子の種類,薬剤感受性などに違いがあることが報告され話題となっている.今回,当院におけるRS直腸癌を含めた結腸癌の治療成績を原発部位の左右によって比較検討を行った.

【対象と方法】
2004年7月から2012年12月に,当院で手術を施行された結腸腺癌(RS直腸癌を含む)のうち,多発大腸癌,Lynch症候群,家族性大腸腺腫症,colitic cancer,虫垂癌,Tis症例,前治療施行症例を除く2176例を対象とした.脾弯曲部より近位(盲腸,上行結腸,横行結腸)を右側結腸,遠位(下行結腸,S状結腸,直腸RS)を左側結腸として臨床病理学的因子,長期予後などを比較検討した.

【結果】
右側結腸851例,左側結腸1325例であり,右側で女性の割合が有意に多く,年齢も右側で有意に高かった.術前CEAは左側結腸で高い傾向があり,右側で開腹手術の割合が有意に高かった.腫瘍径は右側で有意に大きかったが,T因子やstageの割合に差はなかった.右側で未分化癌の割合が有意に高く,脈管侵襲の有無に差はなかった.全stageでの5年全生存率(OS),癌特異的生存率(CSS)は,右側と左側で差はなかった.Stage I, IIではOS,CSS,無再発生存率(RFS)に左右で差はなかったが,stage IIIでCSS,RFS,stage IVでOS,CSSが左側結腸で有意に良好であった.

【結語】
当院における右側結腸癌と左側結腸癌の臨床病理学的因子と長期予後について比較検討を行った.原発部位の左右で臨床病理学的因子に有意な差を認める部分も多く,長期予後の差についても既報告と一致した結果であった.変異遺伝子の種類などについても検討を行うことで,治療個別化につながる可能性がある.
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