演題

右側結腸癌における特徴と予後の検討

[演者] 原 聖佳:1
[著者] 山口 茂樹:1, 石井 利昌:1, 田代 浄:1, 近藤 宏佳:1, 清水 浩紀:1, 竹本 健一:1, 鈴木 麻未:1, 桜本 信一:1, 小山 勇:1
1:埼玉医科大学国際医療センター 消化器外科

【目的】近年右側結腸癌と左側結腸癌では,その臨床病理学的因子や予後,生物学的に特徴が異なることが報告される.当院での右側結腸癌の臨床病理学的特徴と予後の差異を検証する.
【方法】2007年4月~2013年5月までに当院で大腸癌原発切除術を施行した結腸癌(直腸S状結腸部を含む)1049例を対象とし,占拠部位が盲腸から横行結腸までを右側結腸癌(n= 369, 35.2%),下行結腸から直腸S状結腸部までを左側結腸癌(n=680, 64.8%)とし,後方検視に比較検討した.
【結果】右側結腸癌の占拠部位は,盲腸63例(17.1%),上行結腸199例( 53.9%),横行結腸107例(29.0%),左側結腸癌は下行結腸69例(10.1%),S状結腸390例(57.4%),直腸S状結腸部221例(32.5%)であった.
年齢中央値は右側が高齢であり(69 [32-91]歳 vs.67 [22-93], p=0.003),性別は女性が有意に多かった(53.4% vs. 37.4%, p<0.001).開腹手術施行が右側で多い傾向にあった(23.3% vs. 18.4%, p=0.057).
病期(Stage 0/Ⅰ/Ⅱ/Ⅲa/Ⅲb/Ⅳ)は,右側4.6/ 20.6/ 29.3/ 21.4/ 9.2/ 14.9%,左側1.9/ 24.6/ 29.7/ 19.9/ 6.9/ 16.7%と同等であった(p=0.07).
組織像(右側 vs.左側)は高分化腺癌32.5% vs. 32.9%,中分化腺癌49.6% vs.59.9%,低分化腺癌3.8% vs.0.1%,印環細胞癌・粘液癌8.1% vs. 3.1 %と,右側で低分化腺および印環細胞癌・粘液癌の割合が有意を高かった( p<0.001).郭清リンパ節総数は右側で多かったが(54 [5-71]個 vs.22.5 [4-83], p<0.001),リンパ節転移個数,脈管浸潤は両群同等であった.
術後追跡期間は1656.5日(12-2890日)で,疾患特異的生存率は(右側 vs.左側),各病期別ではStageI 100% vs.100%,StageII 99.1% vs. 95.5%(p=0.09),StageIIIa 91.0% vs. 88.1%(p=0.47),StageIIIb 67.6% vs.78.7%(p=0,24),StageⅣ 41.8% vs.40.4%(p=0,78)と両群で同等であった.無病生存率はStageI 93.3% vs.90.5%(p=0.45),StageII 89.7% vs. 84.1%(p=0.19),StageIIIa 74.7% vs. 73.7%(p=0.84),StageIIIb 60.6% vs.61.7%(p=0,76)と同等であった.
【結語】当院で施行した右側結腸癌は高齢で女性が多く病理組織像に差を認めたが,予後は左側と同等であった.
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