演題

内視鏡的治療後の外科的追加切除を施行した大腸癌症例の検討

[演者] 井口 健太:1
[著者] 大田 貢由:1, 中川 和也:1, 諏訪 宏和:1, 菅野 伸洋:1, 虫明 寛行:1, 湯川 寛夫:1, 國崎 主税:1, 益田 宗孝:2, 遠藤 格:3
1:横浜市立大学附属市民総合医療センター 消化器病センター, 2:横浜市立大学附属病院 一般外科, 3:横浜市立大学附属病院 消化器・肝移植外科

【背景】大腸癌内視鏡治療後の外科的追加切除基準は有効に活用されているが,基準の中で有用性が高い因子や非追加切除例の予後について明確でないのが現状である.
【目的】内視鏡的切除後の外科的追加切除の現状,その有用性を明らかにする.
【方法】2008年1月から2015年12月までに当センターで手術を施行した大腸癌1821例中,内視鏡的切除後にガイドラインに準拠し外科的追加切除を施行した176例,追加切除適応だが経過観察を選択した15例を対象とし,臨床病理学的因子および治療成績を検討した.
【結果】
≪外科的追加切除群≫ 性別:男性100/ 女性76,年齢:平均65.0歳(30-89),腫瘍占居部位:C8/A30/T15/D6/S67/RS16/Ra9/Rb25,腫瘍最大径:平均21.3mm(6-90),深達度:M4/SM172,術式:開腹手術17/腹腔鏡手術159,郭清度:D2郭清106/D3郭清70.全例で肛門温存可能.追加切除適応因子(重複あり)はSM浸潤1000μm以上:81.8%, 脈管侵襲陽性:[リンパ管侵襲(29.5%)/静脈侵襲(22.7%)],垂直断端陽性 (判定不可能を含む):31.3%,低分化癌:22.7%,簇出Grade2/3以上:20.5%,追加切除適応因子数:[1因子(42.6%)/2因子(36.9%)/3因子(20.5%)]であった.病理学的リンパ節転移は21例(11.9%)に認め,静脈侵襲陽性例(p=0.027) ,追加切除因子数3因子(p=0.126)で転移傾向を認めたが,低分化型癌では転移を認めなかった.転移21例中19例に術後補助化学療法が施行され,観察期間中央値32ヶ月(1-97)で再発を認めなかった.また,外科的追加切除176例中,他病死の3例を除いた173例が無再発生存中であった.
≪経過観察群≫性別:男性10/ 女性5,年齢:平均75.3歳(61-87),観察期間中央値18ヶ月(0-75).全例が患者希望により経過観察を行った症例.追加切除適応因子(重複あり)はSM浸潤1000μm以上:46.7%,脈管侵襲陽性:13.3%,垂直断端陽性:53.3%,低分化癌:0%,簇出Grade2/3以上:6.7%,追加切除適応因子数:[1因子(80.0%)/2因子(13.3%)/3因子(6.7%)]であった.再発は1例(腸管傍リンパ節再発)であり,追加切除因子数3因子の症例であった.
【結語】
現行の外科的追加切除適応の中でも静脈侵襲陽性例,追加切除因子数3因子はリンパ節転移が多く,良い適応と考えられるが,低分化癌は適応が低いものと考えられる.
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