演題

大腸ESD後に追加切除を行った40例の臨床的検討

[演者] 牧本 伸一郎:1
[著者] 芳竹 宏幸:1, 畑野 光太郎:1, 片岡 直己:1, 山口 智之:1, 冨田 雅史:1
1:岸和田徳洲会病院 外科

【目的】早期大腸癌に対する治療法として内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が行われるようになっており,ESD後に追加治療として大腸切除が必要となる症例も増えてきている.今回ESD施行後に追加大腸切除を行った症例(中断,穿孔例を除く)を検討した.【対象】2010年2月から2016年11月までに早期大腸癌に対して当院消化器内科でESDを施行した832例のうち病理学的検索で大腸癌治療ガイドラインに従って追加治療が望ましいと判断され,当院外科で追加の大腸切除を行った40例を対象とした.【結果】患者の平均年齢は68.5歳,男性18例,女性22例.ESD症例の内訳はLST 30例,Ⅰ型 8例,Ⅱc型 2例であった.平均腫瘍径は32.8mm.深達度はSM浸潤度1000μm以上が38例,1000μⅿ未満が2例であった.垂直断端陽性10例,脈管侵襲陽性13例(6例はリンパ管侵襲,静脈侵襲共に陽性)であった.浸潤先進部の簇出(Grade2/3)8例,浸潤先進部の粘液結節3例を認めた.組織型は高分化型35例,中分化型3例,乳頭状2例であった.追加手術としては腹腔鏡下大腸切除36例,開腹大腸切除4例でありうち1例には肝切除も同時に行った.切除大腸標本において垂直断端陽性10例のうち1例に腫瘍の残存を認めた.リンパ節転移を5例(12.5%)に認めたが脈管侵襲陽性13例のうち2例にリンパ節転移を認め,脈管侵襲陰性27例のうち3例にもリンパ節転移を認めた.簇出(Grade2/3)を認めた8例のうち2例にリンパ節転移を認めた.浸潤先進部に粘液結節を認めた3例のうち1例にリンパ節転移を認めた.肝切除を行った症例はその後に肺転移,骨転移をきたした.【結語】リンパ節転移は追加の大腸切除例40例のうち5例(12.5%)に認められ,脈管侵襲陽性例では13例中2例に転移が認められ,脈管侵襲陰性例では27例中3例に転移が認められた.浸潤先進部の簇出(Grade2/3)を認めた8例のうち2例にリンパ節転移を認めた.大腸ESD後の追加切除の際には適切なリンパ節郭清を行うと共に遠隔転移のリスクにも注意が必要と思われた.
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