演題

pT1大腸癌術後再発のリスク因子についての検討

[演者] 森田 俊治:1
[著者] 谷田 司:1, 浜部 敦史:1, 長瀬 博次:1, 野口 幸蔵:1, 広田 将司:1, 富丸 慶人:1, 今村 博司:1, 岩澤 卓:1, 堂野 恵三:1
1:市立豊中病院 外科

【はじめに】T1大腸癌の再発は1.3%程度とされる.自験例においてT1大腸癌術後再発関連因子を検討した.
【対象と方法】1998年1月から2013年12月に手術加療したpT1大腸癌319例を対象とし,臨床病理学的因子と再発の相関を検討した.手術術式はリンパ節郭清を伴わない経肛門切除術(TAR, n = 32)とリンパ節郭清を伴う根治手術(RAD, n = 287)に分類して検討した.予後解析はLogrank testおよびCox比例ハザードモデルを使用した.
【結果】リンパ節転移は38例(12%)に認め,1例(0.31%)に同時性肝転移を認めた.肝転移症例は二期的に肝切除術を行い,全例で根治手術となった.未分化な組織型(muc, sig)は6例(1.9%)であった.計10例の再発を確認し,6例が血行性再発,4例が局所再発であった(TAR切除断端再発1例,TAR後所属リンパ節再発1例,RAD後所属リンパ節1例,RAD後腹膜播種1例).RAD後局所再発の2例は不十分な郭清手技および術後腹腔内膿瘍に関連した再発であったことが疑われた.再発6例で再発根治切除が行われたが,3例に再々発を認めた.全体で4例の原癌死を認めた. TARはRADに比べ有意に再発が多く, 5年累積再発率はそれぞれ13.6%, 2.3%であった(P = 0.001).占拠部位がRb/Pであることも有意に再発と相関した(P = 0.042).Stage,脈管侵襲,腫瘍径などの他の因子で再発率に有意差を認めなかった.多変量解析ではTARと再発の相関は有意差に至らなかった(P = 0.079).
【考察】pT1大腸癌の手術予後は良いが,不十分なリンパ節郭清は再発を増加させることが示唆された
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