演題

PP9-6

"barbed suture"によるヘルニア門閉鎖を併用した腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術(IPOM-Plus)の検討

[演者] 高橋 達也:1
[著者] 國末 浩範:1, 藤原 拓造:1, 太田 徹哉:1, 瀬下 賢:1, 柿下 大一:1, 久保 孝文:1, 照田 翔馬:1, 津高 慎平:1, 池谷 七海:1
1:岡山医療センター 外科

【背景】腹壁瘢痕ヘルニア対する腹腔鏡下修復術(laparo-scopic incisional hernia repair:LIHR)は2012年4月の保険収載以降,症例数が増加してきている.開腹手術に比べ創感染の面で特にメリットがあるとされ,腹腔内にメッシュを置く術式(intraperitoneal onlay mesh repair(IPOM)は定型化されつつある.一方,筋膜欠損部が遺残することによるbulgingが機能面,整容面で問題となることがある.これらの問題を解決する術式として腹腔鏡下に筋膜欠損部を閉鎖したのちに腹腔内にメッシュを留置するIPOM-Plusがなされているが,まとまった報告は少ない.特にヘルニア門閉鎖の方法に関しては意見がわかれるところである.
【方法】当院における腹壁瘢痕ヘルニアに対してLIHRのうち他の術式を並行した症例を除いたもので検討した.術式はヘルニア門を閉鎖したもの(IPOM-Plus)とそうでないもの(IPOM)にわけて検討した.IPOM-Plusの症例はすべて非吸収性barbed sutureによる体腔内での連続縫合で行い,閉鎖後のヘルニア門から5cm以上overlapできるようにメッシュを固定した.
【結果】2012年1月から2016年12月の間にLIHR単独でおこなわれた症例が13例.うちIPOM-Plus群が7例,IPOM群が6例.IPOM-Plus群のうち部分閉鎖にとどめた症例は1例で残りの症例では完全閉鎖した.手術時間はIPOM-Plus群の平均が134.5分(115-217),IPOM群が149.5分(81-226)で大きな差はなかった.IPOM群のうち1例ではbulgingの訴えが強かった.IPOM-Plus群で1例早期に再発を認めた症例があり,17.3×7.5cmのヘルニア門を完全閉鎖した症例であった.再手術の際には頭側でのヘルニア門の離解が確認され,開腹での癒着剥離を要した.
【考察】IPOM群とIPOM-Plus群に明らかな手術時間の差はなかった.これはbarbed sutureを利用することで速やかなヘルニア門可能なためと考えられる.また,ヘルニア門が閉鎖され狭小化することでIPOMに比べ小型のメッシュが選択できメッシュの固定時間が短縮できる可能性がある.ただし症例数がまだ少なく,さらなる症例の蓄積が必要であると考える.なお,再発症例については発表時にも詳細を提示する予定である.
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