演題

PP9-5

当院における腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術の短期治療成績

[演者] 谷岡 信寿:1
[著者] 古北 由仁:1, 福井 康雄:1, 土居 大介:1, 大石 一行:1, 寺石 文則:1, 尾崎 和秀:1, 渋谷 祐一:1, 志摩 泰生:1, 中村 敏夫:1
1:高知医療センター 外科

【はじめに】腹腔鏡下腹壁瘢痕ヘルニア修復術は,2012年4月に保険収載されてから本邦でも施行件数が増加傾向にあり,その根治性や感染性合併症の低さなどが注目されている.当院では2014年に胸腔鏡下手術を導入してより5例を経験したので,術後短期治療成績を同時期に施行した開腹手術と比較して報告する.
【方法】2014年1月から2016年9月までの期間に手術を行った腹壁瘢痕ヘルニア全50症例を対象とした.その他の手術との同時手術,メッシュ不使用例は除外し,結果として25例[開腹(Op)群21例,腹腔鏡下手術(Lap)群5例]を選択した.2群間で各臨床項目についての比較検討を行った.腹腔鏡下手術はtransfascial sutureとヘルニア門に沿った1列のタッカー固定を併用するS&T(sutures & tackers)法と,ヘルニア門に沿って2列のタッカー固定を行うdouble crown法をそれぞれ単独,あるいは併用して修復した.
【結果】年齢,男女比,BMIは両群で差はなく,Op群と比較してLap群はヘルニア門の長径が大きい傾向にあった(13.9±8.0 vs 8.2±2.9, P=0.013).手術時間は有意にLap群で長く(150.0±63.3分 vs 90.7±32.3, P=0.005),術後経口摂取開始期間は両群で有意差は認めなかった(1.2±0.4 vs 1.3±0.6日, P=0.673).術後在院日数も統計学的有意差はないものの,Lap群で短かった(4.8±1.3日vs 9.4±8.9日, P=0.257).術後観察期間は平均4.5ヶ月で,Op群で術後出血を1例,メッシュ感染を1例経験し,seromaを両群で1例ずつ認めた.術後再発は両群とも認めなかった.
【まとめ】 術後短期成績において2群間で有意差を示すことはできなかった.Lap群はヘルニア門の大きい集団であったにも関わらず再発,メッシュ感染を認めず,ヘルニア門を腹腔内より直視し修復する手技的な利点を反映していると考えられる.
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