演題

PP8-4

当院における腹腔鏡下ヘルニア修復術(TAPP)で重篤な合併症を起こした3例

[演者] 山下 和志:1
[著者] 清家 和裕:1, 亀高 尚:1, 牧野 裕庸:1, 深田 忠臣:1, 鈴木 崇之:1, 斉藤 学:1
1:小田原市立病院 外科

<はじめに>腹腔鏡下ヘルニア修復術(Transabdominalpreperitoneal repair(TAPP))は腹腔内から観察を行うことにより,不顕性の対側のヘルニアを診断でき,腹膜前腔の剥離やメッシュの固定を目視しながら行える等の利点があり,わが国でも広く行われるようになっている.一方でそれに伴い,合併症の報告も散見される.当施設では,平成26年2月からTAPPを導入し,現在までに80例施行しているが,重篤な合併症を起こした3例を経験したので報告する.<症例1>60歳男性.右鼠径部II-1のヘルニアに対して手術施行したが,術中に膀胱をヘルニア嚢と誤認し,損傷し,腹腔鏡下に縫合閉鎖を行った.軽度の縫合不全を認め,術後4日目に膀胱カテーテル留置したまま退院となり,以後外来経過観察を要した.<症例2>50歳男性.術後2日に発熱あり肺炎が疑われ,術後3日目の採血でHb5.6と高度貧血を認め,CTにて腹腔内出血が疑われ,緊急開腹手術を施行した.脾門部からの出血があり,腹腔内に2L以上の凝塊血を認めた.脾種があり,脾門部が裂けたと考えられた.再手術後12日目に退院となった.<症例3>78歳男性.術後1日目に食事開始するも,食欲低下著明であった.術後4日目に嘔吐を認め,イレウスを疑い,CT施行すると,十二指腸に壁肥厚・浮腫を認め,上部消化管内視鏡を施行した.十二指腸に全周性の広範な十二指腸潰瘍を認め,絶食および投薬治療を行い,術後22日目に退院となった.<まとめ>TAPPは経腹操作を要するため,従来の前方アプローチとは異なる合併症が起こり得ることに留意することが肝要である.
詳細検索