演題

PP8-2

当院における腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(TEP法)の導入と手術成績

[演者] 筋師 健:1
[著者] 岡本 成亮:1, 金 龍学:1, 木村 都旭:1, 白畑 敦:1, 早稲田 正博:1, 高坂 佳宏:1, 鈴木 哲太郎:1, 松本 匡史:1, 石田 康男:1
1:横浜旭中央総合病院 外科

当院では2015年1月よりTEP(total extraperitoneal hernia repair)を導入した.臍部のポートは腹膜前腔の剥離を兼ね,バルーン付きポートを使用している.
当院におけるTEPの手術手技は以下の通りである.①腹膜前腔剥離:臍下部に皮切を置き,経腹直筋で腹直筋後鞘を同定.腹膜前腔の剥離にはスペースメーカーを使用.恥骨上部および臍部ポートとの中間位に5mmポートを挿入.②剥離操作:恥骨およびCooper靭帯を同定.内側および外側からヘルニア嚢に向けて剥離を進め,ヘルニア嚢を完全に剥離する.③メッシュ留置:ラッププログリップTMメッシュ(15cm×10cm)を使用し,タッキングは行っていない.腸骨恥骨靭帯(Iliopubic tract)を中心として上下に広げるようにメッシュを固定している.
2015年1月から2016年11月までに,54例(59病変)の手術を施行した.主な合併症として,再発1例(1.8%),イレウス1例(1.8%)を認めた.また,導入初期の手術成績として,TAPP 20例,TEP 20例を比較すると,それぞれ平均手術時間133.0分,62.6分とTEP症例で有意に手術時間が短かった.
手術手技を定型化し,スタッフ間での共通認識とすることで手術のスムーズな進行が可能となった.TEPは腹腔内操作が不要であるため,術中腸管損傷や術後腸管癒着のリスクが低いことがメリットとして挙げられる.症例の集積に伴い,複数の術者においても安定した手術成績が得られるようになった.今後さらに症例を集積し,長期成績等の検討を行っていきたいと考えている.
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