演題

PP7-6

ロボット支援下腹腔鏡下前立腺全摘術後,鼠径ヘルニアの検討

[演者] 尾崎 貴洋:1
[著者] 田中 求:1, 橋本 知実:1, 中村 和徳:1, 小野里 航:1, 水谷 知央:1, 栗田 淳:1, 峯田 章:1, 大村 健二:1, 若林 剛:1
1:上尾中央総合病院 外科

【目的】
近年の前立腺癌の罹患率増加に伴い,前立腺全摘術の実施件数は増加傾向である.それとともに2012年4月にロボット支援下腹腔鏡下前立腺全摘術が保険収載されその実施件数も増加している.一般に前立腺癌に対する前立腺全摘術後の鼠径ヘルニアの発症頻度は高く,12%程度といわれている.今回,われわれはロボット支援下腹腔鏡下前立腺全摘術後に発症した鼠径ヘルニアの臨床的特徴と当院で施行した手術術式について検討した.
【方法】当院で2015年7月から2016年7月までに施行した成人鼠径ヘルニア164例を対象とし,そのうちのロボット支援下腹腔鏡下前立腺全摘術後,開腹前立腺全摘術後の症例の臨床的特徴,および術式の選択や手術時間,出血量に関して検討する.
【結果】
当院のロボット支援下腹腔鏡下前立腺全摘術後の成人鼠径ヘルニア全15例のうち,腹腔鏡下ヘルニア根治術(以下TAPP)が7例,従来法(前方修復術)が8例であった.
また全てが外鼠径ヘルニア(日本ヘルニア学会ヘルニア分類Ⅰ-1 0例,Ⅰ-2 13例,Ⅰ-3 2例)であり,片側発症例が14例,両側発症例が1例であった.
従来法(前方修復術)で選択された術式は全例Lichtenstein法であり,TAPPから従来法(前方修復術)に術式変更した症例は1例であった.手術時間は前立腺手術歴のない症例でTAPPを施行した手術時間は103分(中央値),従来法(前方修復術)の手術時間65分(中央値)であった.ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術後に対してTAPPを施行した症例の手術時間は172.5分(中央値),前方アプローチにて修復した症例は56分(中央値)であった.
【考察】
一般に前立腺全摘術後に発症した成人鼠径ヘルニアの両側発症症例が30%と言われているが当院で施行したロボット支援下腹腔鏡下前立腺全摘術後に発症した鼠径ヘルニアの両側発症は1例/15例(6%)であった.
また手術時間はロボット支援下腹腔鏡下前立腺全摘術後にTAPPを施行した場合には手術時間が長くなっている.
当院で施行したロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術の手術時の画像からもともとの腹壁の脆弱性やヘルニアの有無も含めて若干の文献的考察も含めて検討し報告する.
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