演題

PO9-7

当院におけるClavien- Dindo分類Grade 3以上の鼡径部ヘルニア手術合併症の検討

[演者] 渡辺 伸和:1
[著者] 赤坂 治枝:1, 三浦 卓也:2, 中山 義人:2, 米内山 真之介:2, 袴田 健一:2
1:青森厚生病院 外科, 2:弘前大学附属病院 消化器外科

鼡径部ヘルニア手術は最も多い手術の一つである.しかし,NCDには術後経過の詳細な登録は無い.当院での鼡径部ヘルニア手術のClavien- Dindo分類(CD分類)Grade 3以上の合併症を検討した.平成23年1月から平成28年12月まで,鼡径部ヘルニア手術は606例だった.前方アプローチが550例,鏡視下手術が56例であった.その内,CD分類Grade 3以上は4例であった.全て前方アプローチ法で,出血が3例で,Grade 3a / 3bがそれぞれ2例/ 1例.メッシュ除去(感染疑い)がGrade 3b で1例.全例で再手術後の経過は良好であった.【症例1】90歳代男性,抗血小板薬内服有り.Ⅰ-3型に対してメッシュプラグ(MP)法を行う.1 PODに鼡径部の腫大があり,CTでは活動性出血も認め,同日に術後出血の診断で臨時手術を施行.しかし,出血源は同定出来ず,血腫除去を行った.【症例2】60歳代女性,抗血小板薬内服なし.Ⅰ-2型に対してMP法を行う.1 PODに鼡径部の腫大あり.画像診断をしなかったが,同日に術後出血の診断で臨時手術を行った.出血源は同定出来ず,血腫除去を行った.【症例3】50歳代男性,抗血小板薬内服なし.RecⅡ-1型(初回はダイレクトクーゲル法)に対してプラグ法を行う.ヘルニア嚢に大網が癒着し,それを切離して腹腔内に戻した.1 PODに腹痛と腹部膨満があり,CTでは腹腔内出血が疑われた.同日に術後腹腔内出血の診断で臨時手術を施行.大網からの出血と思われたが,出血源は同定出来ず,洗浄と血腫除去を行った.【症例4】60歳代女性.Ⅰ-2型に対してMP法を行う.術後38度台の発熱が連日続き,抗生剤を投与するも改善無し. CTでは手術部位の感染も疑われた.7 PODにメッシュ除去手術を施行.しかし,メッシュの培養は陰性だった.【結語】術後合併症において,再手術の判断を迷う時があるが,症例によりCT所見が参考になった.メッシュ感染が疑われた場合,術後早期でも再手術を念頭に置く必要と思われた.術後出血の予防として状況に応じて,創部圧迫やクーリングをしていたが,その適応を再考する必要があると考えられた.また,ヘルニア内容の大網を切離する場合,集束結紮をせず,刺入結紮をして腹腔内に戻すことをするようになった.
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