演題

PO9-4

当院における鼠径ヘルニア嵌頓症例の検討

[演者] 油木 純一:1
[著者] 小島 正継:1, 太田 裕之:1, 瀬戸山 博:1, 長谷川 正人:1, 目片 英治:1
1:東近江総合医療センター 外科

【方法】2015年4月~2016年11月に当院で施行した嵌頓した鼠径ヘルニアの手術症例である21例を後方視的に検討した.項目は,年齢,性別,部位,主訴,JHS分類,診断から手術までの期間,術後から退院までの期間,術式,腸切除の有無,術前CT画像でヘルニア内容物とサックの大きさを測定,サックの内容物を解析した.
【結果】平均年齢80.5±12.4歳,女/男=1.3,右/左=2.5,主訴は疼痛(13例,62%),嘔気・嘔吐(12例,57%),その両方(6例,29%)であった.JHS分類はⅠ型:8例(Ⅰ-1:1例,Ⅰ-2:2例,Ⅰ-3:5例),Ⅱ型:1例(Ⅱ-1のみ),Ⅲ型:5例,Ⅳ型:1例,閉鎖孔ヘルニア:6例であった.術式はDK法が14例,MP法:7例,診断から手術までは平均3.2±4.0日,術後から退院までの平均は20.3±27.1日であった.CTで計測したヘルニアサックの大きさの平均は94.2±21.6㎝2,サック内の腸管の大きさは75.8±18.8㎝2であった.17例(81%)に小腸全体の拡張を認めた.腸切除した症例は6例(28.6%),切除腸管の長さの平均は16.2㎝であった.サックや嵌頓腸管の大きさは腸切除とは有意な差はなかった.(それぞれp=0.64,p=0.43) サック内の内容物は,小腸(全症例),腸間膜(7例,32%),腹水(10例,45%),嵌頓腸管内容物に関して,腸液が(7例,32%),糞便(7例,32%),両方(6例,27%)であった.【結語】嵌頓症例の年齢は比較的高齢であり,女性が多い傾向である.女性が多いのは大腿ヘルニアの嵌頓と関係していると推測される.JHS分類ではⅢ型が多く,Ⅰ型の細分類においてヘルニア門が大きいほど多くなる傾向がある.緊急手術での腸管切除にはサックや嵌頓腸管の大きさは関係ないが,腹水の貯留には注意が必要である.
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