演題

PO9-2

滋賀ヘルニア研究会参加施設における抗血栓療法中の成人鼠径ヘルニア手術症例の検討

[演者] 森 毅:1
[著者] 清水 智治:1, 丹後 泰久:2, 安田 誠一:2, 西村 彰一:2, 原田 英樹:2, 平野 正満:2, 神田 雄史:2, 来見 良誠:2, 谷 眞至:1
1:滋賀医科大学医学部 外科学講座消化器外科乳腺・一般外科, 2:滋賀ヘルニア研究会

滋賀ヘルニア研究会はヘルニア診療の充実を目的として設立され,25施設が参加し,参加施設にデータを登録,解析をおこなっている.鼠径ヘルニアは高齢者に多い疾患で,抗血栓薬を服用している患者も多い.今回,滋賀ヘルニア研究会参加施設における,初発の成人鼠径ヘルニア症例での抗血栓薬使用症例に対し,術式,ヘパリン置換の有無などについて検討した.
2013年6月から2016年6月までの期間に登録された初発の成人ヘルニア症例数は2014例であり,275例(14%)が何らかの抗血栓療法を行っていた.抗血栓療法のうち抗血小板薬が164例,抗凝固薬が98例,併用が8例であり,抗凝固薬のうち37例は新規経口抗凝固薬(Novel Oral AntiCoagulants; NOAC)であった.
ヘパリン置換は抗血栓療法症例のうち96例(34%)に施行されており,薬剤名別ではプラビックスとワーファリン内服症例で約50%,バイアスピリンとNOAC内服症例で約30%にそれぞれ行われていた.
抗血栓療法有りのグループの平均年齢は74歳と,服用無し(67歳)に比べ有意に高かった(p<0.05).術式を比較すると,抗血栓療法無しのグループでは,鏡視下アプローチが10%,Direct-Kugel,Poly-Softなどを用いた,前方からの腹膜前修復が48%,Plug-Mesh/UPPなどのOn-lay法が26%であったのに対し,有りのグループでは鏡視下が12%,前方からの腹膜前修復が35%,On-lay法51%となっていた.また抗血栓療法有りのグループの平均手術時間は76分で,服用無し(74分)に比較し差は認めなかった.
抗血栓療法施行症例は,平均年齢が高かったものの,手術時間に差はなく,術式はOn-lay法が高い頻度で選択されており,出血のリスクを考慮した術式選択がされていたと考えられた.
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