演題

PO8-6

修練医が考える単孔式TAPP上達のための工夫

[演者] 新庄 幸子:1
[著者] 大畑 和則:1, 西岡 孝芳:1, 福原 研一朗:1
1:市立藤井寺市民病院 外科

【目的】当院では胆囊摘出術や虫垂切除術などに単孔式腹腔鏡手術を導入していたが,2013年より単孔式のtransabdominal preperitoneal mesh repair(以下,TAPPと略記)を導入した.整容性の面で有用である一方,その操作の習得には時間を要している.修練医が行った単孔式TAPP手術において,より短期間での技術向上を目指し,手術操作の問題点を列挙し,それらを検討した.【対象と方法】2015 年1 月から2016 年12月までに修練医が執刀した男性の単孔式TAPP 9例を対象とし,腹膜切離から閉鎖までの過程を①腹膜剥離,②ヘルニア嚢の剥離・離断,③メッシュの展開・固定,④腹膜閉鎖に分類し,各過程の問題操作を確認した.当院の単孔式TAPPでは,臍部を頭尾側方向に約4 ㎝の縦切開から単孔式とし,3本の5 mmトロカールを使用している.カメラは5 ㎜軟性鏡を用い,メッシュは3-D MAXTM MESH(Bard),固定はPERMAFIXTM(Bard)を使用,腹膜は3-0 Vicrylによる連続縫合で閉鎖している.上級医と共に手術ビデオを詳細に検討し,手技上の問題点のリストを作成した.【結果】平均手術時間は163分(122~219分,中央値147分),いずれの手術も出血量は少量であった.各過程で多く認められた問題点は,①腹膜剥離で,(i)不十分な剥離で次の操作に移る,(ii)同一操作の繰り返し,(iii)誤った向きへの超音波凝固切開装置の使用,(iv)手順通りに進めない・計画不足,②ヘルニア嚢の剥離・離断では,(v)ヘルニア嚢の不十分な牽引,(vi)精管や動静脈の見落とし,(vii)ヘルニア嚢の処理方法の決定困難,(viii)ヘルニア嚢の誤認による誤った方向への剥離操作が多かった.③メッシュの展開・固定では,(ix)メッシュの折り返り,(x)固定位置の誤認,(xi)ファスナの浮き上がり,④縫合閉鎖では,(xii)トレー二ング不足,(xiii)鉗子同士の干渉が認められた.【考察】不十分な剥離,展開などの問題操作は,次の過程で見落としや時間がかかる誘因となった.また,手術の長時間化伴い集中力低下し操作全体が煩雑になりやすい傾向が認められた.【まとめ】問題操作や誤った認識を各過程で確認をすることは改善すべき点が明確になる一助となり,今後の手術のスキルアップに有用と考える.
詳細検索