演題

PO8-3

当院における腹腔鏡下ヘルニア修復術の導入とその短期成績の検討

[演者] 加藤 拓也:1
[著者] 高橋 徹:1, 鈴木 麻由:1, 水上 達三:1, 大畑 多嘉宣:1, 橋本 卓:1, 阿部 厚憲:1
1:帯広病院 外科

【はじめに】当院では2016年2月から腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP)を導入した.今回TAPP導入後の短期手術成績を検討した.
【方法】2016年2月から同年12月までにTAPPを行った前立腺手術歴のない初発例31症例38病変を対象とした.手術は臍に12mm,臍左右に5mmポートを留置.ヘルニア門外側から腹膜切離を開始し,ヘルニア門の周囲の腹膜は環状切開し末梢のヘルニア嚢は遺残させた.腹膜剥離を広げ精索を遊離した後,内側はクーパー靭帯・腹直筋外縁,外側は上前腸骨棘まで剥離し,MPOを露出.最低限9×12cmの範囲で腹膜を剥離した.メッシュはパリテックスメッシュ®(COVIDIEN) もしくはウルトラプロメッシュ®(ETHICON)を使用し,タッカーはソーバフィックス®もしくはセキュアストラップ®を用いてクーパー靭帯,腹直筋外縁,下腹壁動静脈の左右,及びメッシュ最外縁頭側に最低5か所固定した.腹膜は4-0バイクリルてに連続縫合で閉鎖した.
【結果】全31症例中,男性28例,女性3例.片側24例,両側7例.平均年齢58.8歳(28-77),平均BMI 20.4(18.7-28.3).平均手術時間は片側:137分(74-215),両側:201分(162-263),平均出血量約1cc(0-15),平均在院日数3.0日(2-5)であった.合併症としてはポート感染3例(9.6%),創部血腫2例(6.4%),seroma 2例(6.4%)で再発は1例も認めていない.手術時間については,全症例でのラーニングカーブは横ばいであるが,外科医10年目で分けて比較すると,若手外科医では3-5例目くらいから右肩下がりに手術時間が短縮する傾向がみられた.日頃から胆摘や大腸切除など内視鏡手術に携わる機会が多いことと,症例を重ねる毎に解剖が把握できるようになり,腹膜剥離が過不足なく適切な範囲で行えるようになったことが要因として考えられた.
【結語】当院においてTAPPを比較的安全に導入することが可能であったと考える.今後手技の習熟,定型化により更に手術時間を短縮し,前立腺手術歴のある症例や再発例などにも適応を広げて症例数を重ねることで,更なる検討を行っていきたい.
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