演題

PO8-2

腹腔鏡下ヘルニア修復術の導入状況と治療成績

[演者] 齋藤 智明:1
[著者] 渡邉 学:1, 浅井 浩司:1, 松清 大:1, 榎本 俊行:1, 渡邉 良平:1, 西牟田 浩伸:1, 片田 夏也:1, 斉田 芳久:1, 草地 信也:1
1:東邦大学医療センター大橋病院 外科

【はじめに】当院でも鼠径ヘルニアに対して2012年よりTransabdominal preperioneal repair(以下TAPP法)による腹腔鏡下ヘルニア修復術導入された.
【目的】導入後のTAPP法の導入状況と治療成績を明らかにする.
【対象と方法】症例は 2015年1月1日より2016年12月1日までに当院で施行した鼠径ヘルニア手術を対象とし背景因子を検討した.その後,前方アプローチでのヘルニア修復術を施行した群(以下AA群)とTAPP法でヘルニア修復術を施行した群(以下TAPP群)の背景因子を比較した.また,AA群とTAPP群の手術因子を検討した.また,TAPP群とAA群にしめるレジデントの割合を比較検討した.
【結果】観察期間中の症例は164例であった.平均年齢中央値(範囲)71才(14-91),男性137例,女性27例でBMI中央値(範囲)22.9(14.5-31.8)であった.ヘルニアの部位は右側84例(51.2%),左側56例(34.1%),両側24例(14.6%)に認めた.術前ヘルニア嵌頓症例は15例(9.1%)に認め,徒手整復し得なかった7例 (4.2%)が緊急手術となった.開腹歴を37例(22.5%)に認めた.術後在院日数中央値(範囲)3日(1-40)であった.AA群107例 (65.2%)TAPP群57例 (35.3%)であった.手術時間は115分(42-306)出血量中央値0ml(0-200)で術後seroma を18例(10.9%)に認めた.レジデントが術者に占める割合はAA郡で89例(83.1%),TAPP群で18例(31.5%)であった.
AA群とTAPP群の背景因子を検討すると,TAPP群はAA群と比較し年齢が若く(p=0.013),BMI(p=0.973),開腹歴(p=0.26)に有意なさを認めなかった.また,手術因子に関して検討をすると,TAPP群において出血量が少なく(p=0.016),seromaの発生率は変わらないもののAA群に多い傾向であった(p=0.059).手術時間(p=0.23)に有意差をみとめなかった.AA群に術者が占めるレジデントの割合が多く認めた(p=0.029).
【まとめ】ヘルニア修復術短期手術成績と導入状況を検討した.TAPP群は出血量が少なく,seromaも少ない傾向であった.レジデントのTAPP施行症例は少なく更なる導入拡大のためには指導体制や定型化が必要となる.
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