演題

PN9-4

成犬を用いた十二指腸切離後における消化管運動の検討

[演者] 木暮 憲道:1
[著者] 鈴木 雅貴:1, 矢野間 透:1, 木村 明春:1, 渡辺 亮:1, 矢内 充洋:1, 緒方 杏一:1, 持木 彫人:2, 桑野 博行:1
1:群馬大学大学院 病態総合外科学, 2:埼玉医科大学総合医療センター 消化管外科・一般外科

【背景】十二指腸癌に対しての手術は,取扱い規約などがないため,腫瘍径,腫瘍位置,リンパ節転移等により各施設において,術式,リンパ節郭清範囲などが決定されているのが現状である.十二指腸癌患者で十二指腸部分切除群と膵頭十二指腸切除群の予後を比較し,有意差を認めなかったとの報告もあり,十二指腸部分切除術が選択されうる.また,GISTにおいて,十二指腸の発生は4%程度といわれており,Vater乳頭部から離れた部位に発生した腫瘍に対しては十二指腸部分切除術が選択されうる.
十二指腸部分切除が選択される病態が増えつつあるが,十二指腸部分切除後において,胃排泄遅延やイレウスなどの術後合併症の発生も少なくない.しかし,十二指腸部分切除術後の消化管運動能について検討した報告はない.
【対象と方法】対象動物はビーグル犬(体重10-12kg),Force transducerをコントロール群は胃体部,胃前庭部,幽門部,十二指腸(Vater乳頭部より5cm肛門側),空腸に取り付けた.十二指腸切離群では,十二指腸Vater乳頭部より5cm肛門側にて十二指腸腸管を切離,吻合し,Force transducerを胃体部,胃前庭部,幽門部,十二指腸切離線(吻合部)より2cm口側,十二指腸切離線より2cm肛門側,空腸に取り付け,術後回復期での腸管運動を評価した.
【結果】術後回復期において,コントロール群は術後平均5日間で消化管間欠伝播性収縮;interdigestive migrating contraction(IMC)の出現が観察できるのに対して,十二指腸切離群では,平均で術後14.4日でのIMC出現を観察した.また十二指腸切離群において術後に胃排出能低下,術直後の血中グレリン濃度高値を認めた.
【まとめ】今回の検討において,十二指腸切離によって,胃体部,胃前庭部での消化管運動回復の遅延が認められた.十二指腸に上部消化管運動を司るレギュレーターの存在が示唆された.
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