演題

PN8-7

化学療法による末梢神経障害に対する牛車腎気丸の予防効果 メタアナリシスによる検討

[演者] 星野 伸晃:1
[著者] 肥田 侯矢:1, 我如古 理規:1, 後藤 沙織:1, 奥村 公一:1, 坂井 義治:1
1:京都大学大学院 消化管外科学

【目的】化学療法による末梢神経障害に対する牛車腎気丸の予防効果をメタアナリシスによって検討すること.
【背景】オキサリプラチンやタキサン製剤などは消化器癌治療におけるKey drugであり,よく使用される抗癌剤である.しかし,これらの使用により高頻度に末梢神経障害がおこり,治療継続が困難になることや補助化学化学療法終了後も末梢神経障害に悩まされることが問題となっている.現時点でこの末梢神経障害に対する標準的な予防法は確立されていない.そこで,メタアナリシスにより,牛車腎気丸の末梢神経障害に対する予防効果を検討した.
【対象】対象試験はランダム化比較試験(RCT)とした.ただし,クラスターランダム化,クロスオーバー,準ランダム化デザインは除いた.対象者は癌の種類や使用抗癌剤の種類は問わず,すべての抗癌剤使用患者とした.介入薬剤は牛車腎気丸であり,投与量や投与期間は問わず,定期的に投与されているすべてのものとした.対照薬剤はプラセボ,その他の予防目的で投与された薬剤,未投薬のすべてを含めた.
【方法】Scopus,Ovid MEDLINE,CENTRAL,ICHUSHIを利用して,言語の制限なく,「牛車腎気丸(Goshajinkigan)」「TJ-43」をKeywordとして文献検索を行った.文献評価,データ抽出は2人の研究者が独立して行い,その後に整合性を確認した.牛車腎気丸の有効性はCTCAE grade 2以上,または,grade 3以上の末梢神経障害の発生割合で評価した.データの統合はReview Manager (Cochrane Collaboration tool)を利用して,Random-effects modelで行った.
【結果】上記4データベースで1345文献がみつかった.これらの文献を評価し5つのRCTを同定した.これら5つのすべての研究において末梢神経障害の発生割合は,CTCAE grade 2以上,grade 3以上ともに報告されており,それぞれを統合した.Grade 2以上の末梢神経障害の発生は,リスク比0.85 (95%CI 0.54-1.34),異質性I2 = 80%であった.また,Grade 3以上の末梢神経障害の発生は,リスク比0.68 (95%CI 0.30-1.58),異質性I2 = 59%であった.
【結論】牛車腎気丸は化学療法による末梢神経障害の予防に対して,Grade 2以上の末梢神経障害,Grade 3以上の末梢神経障害ともに有効である傾向を示したが,その効果を証明するには至らなかった.
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