演題

PN7-2

当院における皮下埋め込み型中心静脈カテーテル用ポート留置症例の合併症および安全性に対する検討

[演者] 天野 翔太:1,2
[著者] 久保 信英:2, 増田 崇:2, 廣重 彰二:2, 松本 敏文:2, 川中 博文:2
1:大分大学附属病院 消化器外科, 2:別府医療センター 外科・肛門科

【目的】皮下埋め込み型中心静脈カテーテル用ポート(以下,CVポートと称す)は経口摂取困難な患者における静脈栄養管理目的のみならず癌化学療法施行のために造設,使用される.近年,その造設数は増加傾向にあるが手術手技による合併症やカテーテルおよびアクセスポートの長期留置に伴う合併症も多く観察されるようになってきている.今回,我々は自施設にてCVポートを留置した症例を対象とし,合併症や成績について検討した.若干の文献的考察も交えて報告する.
【対象】当院にて2014年6月から2016年11月までの間にCVポートが留置された50例を対象とし術後2週間で短期,長期に分けて検討した.
【結果】対象患者50例の性別は男性が27例,女性が23例,平均年齢は71歳であった.CVポート造設の目的は化学療法導入が47例(94%),栄養管理目的が3例(6%)であった.原疾患の内訳は食道癌8例(16%),胃癌6例(12%),大腸癌30例(60%),肝内胆管癌1例(2%),子宮体癌1例(2%),卵巣癌1例(2%),膵癌2例(4%),上腸間膜動脈塞栓症1例(2%)であった.カテーテル留置部位は右内頚静脈が11例(22%),右鎖骨下静脈が16例(32%),左鎖骨下静脈が23例(46%)であった.CVポート留置術後の合併症は8例(16%)であった.短期合併症は3例で内訳は創部出血が1例,気胸が1例,ポート刺入部からの薬剤漏出が1例であった.長期合併症は5例で内訳は創離開が1例,カテーテル損傷が1例,血栓形成によるカテーテル閉塞が3例(このうち血栓性静脈炎を発症したものは1例)であった.穿刺部位別には左鎖骨下静脈穿刺による合併症が6例,右鎖骨下静脈穿刺による合併症が1例,右内頚静脈穿刺による合併症が1例であった.血栓を形成した症例は全例ポート抜去および再留置が行われた.また,血栓形成症例の全例で分子標的薬であるbevacizumabが使用されていた.
【考察】CVポート留置の合併症として長期留置による血栓形成が問題となるが,bevacizumab使用患者では動脈血栓のリスクが2-3倍上昇すると言われている.担癌状態であることやカテーテル長期留置も考慮すると血栓形成のリスクはさらに高まるといえ抗凝固療法も検討すべきと思われる.
【結語】CVポート留置は安全に施行でき管理における合併症も少なく有用であると思われる.より安全に使用および管理していくために長期留置患者に対しては血栓形成に注意を要する.
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