演題

PN7-1

皮下埋め込み型中心静脈ポート造設術における内頸静脈アプローチと鎖骨下静脈アプローチの比較

[演者] 宮崎 大:1
[著者] 吉田 雄亮:1, 井上 玲:1, 福田 直也:1, 佐藤 暢人:1, 飯村 泰昭:1, 長谷川 直人:1
1:市立釧路総合病院 外科

【背景・目的】皮下埋め込み型中心静脈ポート造設には様々なアプローチが存在し,それぞれの手技に特徴的な合併症も認められる.当院では中心静脈ポート造設時には穿刺手技の簡便さから内頸静脈アプローチを第一選択としていたが,2015年4月から留置時間短縮を目的に鎖骨下アプローチを導入した.それぞれの手技について合併症と手術時間を比較検討した.【対象】2013年10月から2016年12月までに中心静脈ポート造設を行った288例.
【結果】アプローチ法の内訳は内頸193例,鎖骨下93例,その他2例であった.なお,穿刺やガイドワイヤーの誘導困難のため,アプローチを鎖骨下から内頚に変更した症例が10例,内頚から鎖骨下に変更した症例は1例認めた.合併症は内頸群28例(14.5%),鎖骨下群10例(10.8%)で認められた.内訳は内頸群ではカテーテル離断3例,破損3例,閉塞5例,感染16例に対し鎖骨下群では気胸1例,カテーテル位置異常1例,感染7例だった.カテーテル離断例はIVRによるカテーテル回収を要した.また,合併症を認めた症例では手術時間が長い傾向があった.手術時間は内頸群では中央値38(13-111)分,鎖骨下群では21(8-59)分で鎖骨下群で有意に短縮していた.【結論】鎖骨下アプローチは内頸アプローチと比較して有意に手術時間が短縮され,合併症も増加しておらず,有用であると思われる.ただし,鎖骨下アプローチにおいては穿刺困難例や気胸,動脈穿刺などの重篤になりうる合併症が存在し,長期留置例ではカテーテルのピンチ・オフによる断裂が起こることも報告されており,長期的な予後の観察が必要である.内頚アプローチは鎖骨下と比較してピンチ・オフや気胸などの合併症がなく,安全性が高いことが報告されているが,内頸アプローチにおいても長期留置に伴いカテーテルの離断やリーク,閉塞といったカテーテルの劣化,破損に伴う合併症が発生するため,継続的な観察および不要となったポートは早期に抜去することが必要である.【結語】当院における鎖骨下アプローチでの中心静脈ポート造設の導入は手技時間の短縮につながり有用であった.それぞれのアプローチ法の特徴を理解し手技を行うことが重要である.
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