演題

PD04-2

右葉系肝切除における99mTc-GSA シンチグラフィーとVINCENT融合画像による肝予備能評価

[演者] 北村 好史:1
[著者] 貝原 聡:1, 松原 孝明:1, 北野 翔一:1, 熊田 有希子:1, 喜多 亮介:1, 増井 秀行:1, 岩村 宣亜:1, 水本 素子:1, 細谷 亮:1
1:神戸市立医療センター中央市民病院 外科

【はじめに】肝不全は肝切除術後の最も重篤な合併症であり,肝切除を安全に行うためには残肝機能の正確な評価が重要となる.当科では区域以上の肝切除を予定する症例に対して原則として99mTc-GSAシンチグラフィー(GSA)を行い,そのSPECT画像とSYNAPSE VINCENT(Fuji Film)との融合画像を作成し残肝体積比(remV)と残肝機能比(remF)を測定し,KICG値と乗じたremV-KICG,remF-KICGを算出しrem-KICG 0.05をcut off値とし術式の妥当性や門脈塞栓(PTPE)の要否を決定している.今回,GSAとVINCENTの融合画像による残肝機能評価の有用性を検討した.【対象と方法】2011年以降,術前にGSAを行い肝右系葉切除以上の肝切除を予定した症例のうち血行再建や胆道再建を併施した症例を除く24例(肝細胞癌17例,転移性肝癌5例,肝内胆管癌2例)を対象とした.術後肝不全の評価はISGLSの定義に従い,術後肝機能の指標として血清T-Bil最高値とPT-INR最高値を参照しrem-KICGとの関連性を検討した.【結果】remV-KICGは0.036-0.106 (med.0.06),remF-KICGは0.028-0.106 (med.0.058)であり両群に有意差はなかった.remV-KICG,remF-KICGとも 0.05であった16例の内,14例は右葉切除,1例は拡大右葉切除,1例は右3区域切除を施行した.remV-KICG,remF-KICGとも<0.05であった8例はPTPEを施行した後,6例で右葉切除,1例で右3区域切除を行い,1例は亜区域切除に術式を縮小した.remV-KICG 0.05かつremF-KICG<0.05であった症例は1例認め,PTPE後に右葉切除を施行した.術後肝不全(ISGLS gradeA以上)や手術関連死を来した症例は認めなかった.rem-KICGと術後肝機能因子との関連性の検討ではV,Fとも有意な相関は認めなかった.【結語】remF-KICGによる肝予備能評価は妥当であり,肝不全を来さない術式を決定する上で有用であった.しかし,今回の検討では従来の体積比(remV-KICG)による肝予備能評価と比べremF-KICGがより正確に残肝機能を予測し得たとは言えず,GSAの真義については更なる検討が必要である.
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