演題

PM8-4

周術期以外でも消化器悪性腫瘍に伴う静脈血栓塞栓症予防は必要である

[演者] 山本 尚人:1
[著者] 海野 直樹:1, 犬塚 和徳:1, 佐野 真規:1, 斉藤 貴明:1, 倉地 清隆:1, 神谷 欣志:1, 坂口 孝宣:1, 菊池 寛利:1, 今野 弘之:1
1:浜松医科大学医学部 外科学第二

【背景】周術期の静脈血栓塞栓症(VTE)予防は普及してきたが,化学療法の進歩などにより消化器悪性腫瘍の予後が延長する一方で,VTEに遭遇する機会も増加している.今後どのような消化器悪性腫瘍の状態でVTE発症に注意すべきかを検討した.
【対象と方法】2005年以降に当科で経験したVTE症例597人のうち活動性の消化器悪性腫瘍を合併していた患者125人を対象とした.腫瘍の治療時期や状態などによる有症状VTE発生の危険性をカイ二乗検定で検討した.
【結果】女性80人,男性45人.年齢32歳~89歳(平均68歳).腫瘍領域は食道26例,胃18例,大腸59例,肝胆膵22例.VTEが発見された時の悪性腫瘍の治療時期は術前24例,術後55例,進行状態(根治手術不能)22例,再発状態24例.血栓部位は中枢76例,末梢49例.有症状VTE37例,無症状VTE88例.入院での発症が73例,外来での発症が52例.発症時画像上多臓器転移のある症例が41例,転移のない症例が84例.発症時化学療法施行中の症例が35例,非施行中の症例が90例.発症後治療用量の抗凝固療法が施行された症例は66例,予防用量の抗凝固療法が施行された症例は31例,抗凝固療法が施行されなかった症例は28例.有症状VTEと無症状VTEの頻度の差を図に示す.発症時他臓器転移のある状態,進行・再発状態,外来の患者で有症状VTEの頻度が高かった.
【考察】術後VTEは予防の意識の高まりから無症状での発見が多い.一方で進行状態・再発状態の患者では有症状VTE患者は術後に匹敵する症例数があり,外来患者での発症が多い.今後進行した悪性腫瘍,再発した悪性腫瘍に対する血栓予防の介入が必要である.

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