演題

PM7-3

1.0%クロルヘキシジングルコン酸塩含有エタノール製剤使用ウォーターレス法における消毒・経済効果の評価

[演者] 渡邉 学:1
[著者] 草地 信也:1, 浅井 浩司:1, 松清 大:1, 齋藤 智明:1, 石井 智貴:1, 鯨岡 学:1, 榎本 俊行:1, 片田 夏也:1, 斉田 芳久:1
1:東邦大学医療センター大橋病院 外科

【目的】手術時手指消毒は,抗菌性スクラブ製剤と滅菌ブラシを使用するスクラブ法から擦式消毒用アルコール製剤を併用するツーステージ法や擦式消毒用アルコール製剤を用いるウォーターレス法へと変遷を遂げている.その際用いられる速乾性擦式アルコール製剤のクロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)添加濃度は,消毒効果において再検討の余地がある.そこで,ツーステージ法とCHG含有濃度の違うアルコール製剤によるウォーターレス法における消毒効果および経済効果の違いを評価した.
【対象・方法】外科医師12名を対象に,1.0 w/v %クロルヘキシジングルコン酸塩(CHG)含有エタノール製剤を用いたウォーターレス法(1%ウォーターレス法)と0.2 w/v %CHG含有エタノール製剤を用いたウォーターレス法(0.2%ウォーターレス法),4 w/v % CHG含有スクラブ剤および0.2%CHG含有エタノール製剤を用いたツーステージ法(ツーステージ法)の各手指消毒方法につき消毒効果および経済効果を検討した.
【結果】手洗い直後の菌数減少log値(RF値),,ツーステージ法 2.85±1.12,1%ウォーターレス法 3.47±0.77,0.2%ウォーターレス法 2.04±0.95であり,1%ウォーターレス法が最も菌数の減少がみられ,0.2%ウォーターレス法と比較し有意に菌数が減少していた.一方,3時間後のRF値は,ツーステージ法 2.09±1.28,1%ウォーターレス法 2.42±1.36,0.2%ウォーターレス法 2.00±1.03であり,各手法の間で有意差はみられなかった.経済効果の検討では,一回の手洗いにかかるコストは,ツーステージ法 91.34円,1%ウォーターレス法 40.44円,0.2%ウォーターレス法 37.86円であり,ウォーターレス法はツーステージ法と比較し約半分のコストであった.また,各手法に要する時間は,ツーステージ法 381秒/回,1%ウォーターレス法と0.2%ウォーターレス法はともに216秒/回であった.
【結論】1%ウォーターレス法は,0.2%ウォーターレス法と比較し手洗い直後の菌数が有意に減少しており消毒効果は高いことが示された.一方,所要時間・コストの面から,ウォーターレス法はツーステージ法と比較し2倍の経済効果が得られると考えられた.本研究により,1%ウォーターレス法は手術時手指消毒において有用な方法であると考えられた.
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