演題

PM7-2

鋼製手術器具にせまる樹脂性手術器具の開発

[演者] 目片 英治:1,2
[著者] 谷 徹:5, 太田 裕之:1,2, 小島 正継:1,2, 瀬戸山 博:1,2, 梶山 隆啓:3, 武重 英之:4, 島垣 昌明:4
1:滋賀医科大学医学部 総合外科学講座, 2:東近江総合医療センター 外科, 3:日精産業株式会社, 4:東レ・メディカル株式会社, 5:滋賀医科大学医学部 バイオメディカル・イノベーションセンター

樹脂性の医療用ピンセットは安価ではあるが,観血的な処置に到底耐えうるものではない.しかし,近年,樹脂は様々な工業分野に応用され,金属の代替として十分に機能できるレベルにある.そこで我々は高機能樹脂を用いて,手術器具の開発を開始した.開発対象のピンセットは外来処置で使用できる120ミリ長,200ミリ長のピンセットとした.外科医の手術器具関する好みは多様であり,組織を把持したときの感覚を如何に調整していくかを開発の目標とした.
【方法】原材料は,PPS樹脂(ポリフェニレンサルファイト樹脂)(東レ)を用いた.樹脂の鑷子を作成するための射出成形は日精産業株式会社が行った.
検討①:220ミリ長のピンセットを用いて従来品の鋼製小物と重さ,把持力を測定した.
検討②:120ミリ長の樹脂性ピンセットを用いて以下の点について検討した.
ピンセットを先端より1センチ間隔のポイントで把持に必要な圧測定を行う方法で得られた数値と把持感覚のアンケート結果を比較した.次に,最大把持力を得るための必要圧を把持部位で測定した.
【結果】それぞれの鑷子の重さは,ステンレス製が63g,ドベーキが57g,樹脂製の試作品は20gであった.把持力は,ステンレス製鑷子が最も強かったが,樹脂性鑷子は,繊細な作業を行う為の鑷子であるドベーキとほぼ同等の把持力を実現できた.120ミリ長ピンセットについての結果については,今後行っていく.
【今後の展開】
今後,安全管理上の工夫を行って行く必要がある.また医師および看護師による視覚,触覚,操作性について調査をおこない,鋼製小物に代わる樹脂性の器具の開発を行っていく.なお,本研究は,平成28年度医工連携事業化推進事業の研究費により行っている.
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