演題

食道癌周術期管理におけるCONUT, PNIを用いた栄養評価と合併症予測

[演者] 斎藤 祥:1
[著者] 村上 雅彦:1, 大塚 耕司:1, 古泉 友丈:1, 五藤 哲:1, 山崎 公靖:1, 藤森 聰:1, 渡辺 誠:1, 榎並 延太:1, 青木 武士:1
1:昭和大学病院 消化器・一般外科

【目的】
少数の採血項目のみで簡便に算出可能なcontrolling nutritional status(CONUT)と, prognostic nutritional index(PNI)による栄養評価が,胸腔鏡下食道亜全摘術後の合併症発生,術後在院日数の予測に有用であるかを検討した.
【方法】
対象は当教室において2012年から2014年に食道癌の診断で胸腔鏡下食道亜全摘術を施行した患者の中で,術前化学療法・放射線療法施行以前に血清アルブミン値,リンパ球数,総コレステロール値を測定した180名の患者とした.CONUTに関しては1点以下の正常群104名(CN群)と2点以上の軽度から高度低栄養群76名(CM群)の2群に分け,またPNIに関してはPNI 50以上の正常群108名(PN群)とPNI 50未満の低栄養群72名(PM群)の2群に分け,患者背景,手術因子,術後合併症発生率,術後在院日数について後方視的に比較検討した.
【結果】
CONUTの検討では,癌占拠部位については2群間に有意差を認め(CN群vs. CM群; Mt 66%, Lt 19% vs. Mt 49%, Lt 37%),術前化学放射線療法施行率がCM群で高く(CN群 vs. CM群;2% vs. 12%),術後在院日数が,CM群で長かった(CN群 vs. CM群;18.9日 vs. 20.5日).PNIの検討では,PM群で有意に平均年齢が高く(PN群 vs. PM群;65.8歳 vs. 68.7歳),術前化学放射線療法施行率が高く(PN群 vs. PM群;2% vs. 13%),手術時間が短かった(PN群 vs. PM群;372分 vs. 342分).また,fStageにおいて有意差を認め(PN群 vs. PM群; IA/ IB/ IIA/ IIB/ IIIA/ IIIB/ IIIC/ IV; 49/ 5/ 6/ 10/ 13/ 9/ 1/ 7% vs. 25/ 3/ 14/ 11/ 13/ 15/ 13/ 7%),PM群で術後在院日数が長く(PN群 vs. PM群;18.3日 vs. 21.5日),全合併症発生率が高かった(PN群 vs. PM群;17% vs. 31%).他の因子については有意差を認めなかった.
【結語】
PNIによる低栄養群においては合併症発症率が高まり,術後在院日数に関してはCONUT,PNIともに低栄養群において在院日数が延長したことから,周術期管理にこれらの栄養指標が合併症発症や在院期間延長の予測因子として有用である可能性が示唆された.
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