演題

食道癌術後せん妄に対する予防対策の有効性についての検討

[演者] 安田 裕美:1
[著者] 今岡 裕基:1, 吉山 繁幸:1, 大井 正貴:1, 藤川 裕之:1, 大北 喜基:1, 廣 純一郎:1, 問山 裕二:1, 毛利 靖彦:1, 楠 正人:1
1:三重大学大学院 消化管・小児外科学

【はじめに】食道癌術後せん妄の発症頻度は高く,せん妄を発症した場合,術後回復の遅延や医療費の増加など様々な問題が発生する.せん妄は準備因子や直接因子,誘発因子などが要因となり発症するとされており,それらの因子を除外した管理を行うことで術後せん妄発症の低下が期待される.
【目的と方法】当院では2016年1月より食道癌手術症例に対して,せん妄の誘発因子や直接因子を可能な限り排除することを目的に,ICU滞在期間の短縮,術後鎮痛薬の変更,制酸剤の変更,抗ヒスタミン薬使用中止,十分な睡眠確保のための薬剤投与,ステロイド使用日数の短縮などの対策を導入した.そこで2013年1月から2016年11月までに当院で食道癌に対して食道切除術を施行した64名を対象とし,予防対策導入前後でせん妄発症につき検討した.
【結果】予防策導入前は49例,導入後は15例であった.両群間で年齢,術前抗精神病薬の使用,脳血管疾患の既往,入院直前までの飲酒,せん妄の既往などせん妄リスク因子に差を認めなかった.予防策導入前はせん妄発症は26例(53%),導入後2例(13%)であり,有意にせん妄の発症率は予防対策導入後で有意に低下した.
せん妄発症に関連する因子について多変量解析では,性別(男性),予防策導入前が独立したリスク因子であった.
【結語】術後せん妄の誘発因子や直接因子を積極的に取り除くことで,術後せん妄の発症を抑えることができていた.
詳細検索