演題

食道癌術前後のVF(Videofluoroscopic examination of swallowing)による嚥下機能評価の施行経験

[演者] 藤田 正一郎:1
[著者] 安達 慧:1, 高 正浩:1, 野中 亮児:1, 山本 和義:1, 藤江 裕二郎:1, 橋本 和彦:1, 大西 直:1
1:NTT西日本大阪病院 外科

【はじめに】
食道癌の術後に経口摂取を開始する際に問題となるのは嚥下機能の評価である.術後経過は良好であっても嚥下困難の存在により低栄養状態の持続や誤嚥性肺炎を併発し長期入院を余儀なくされる症例は少なくない.
今回我々は術前と術後にVF(嚥下造影検査)を施行し,術前後の嚥下を比較することにより 嚥下機能の評価 する取り組みを開始した.症例数は少ないが その利点 問題点について検討したので報告する.
【対象】
2015年に当院で食道癌手術を施行された5例
患者背景:年齢:62~76歳,男女比:5:0,原疾患: 食道癌;上部:中部:下部1:4:0
【方法】
術前と術後7日目にガストログラフィンをセリーに混入し,側面と正面より撮像し,食塊の移送や嚥下諸器官(口腔,咽頭,喉頭,残食道)の動き と誤嚥の有無を検討した.
【結果】
術前の造影では誤嚥はなかったが 術後の造影では2例に誤嚥を認め 2例とも反回神経麻痺と喉頭挙上が不十分なことによるものであった.嚥下機能訓練を導入し 術後3カ月程度で2例とも誤嚥の頻度は減少し経口摂取が可能となった.
【まとめ】
食道癌手術前後の嚥下機能を比較検討することは,誤嚥の程度の把握と嚥下機能訓練のプログラムを作成する上において非常に有用であった.またVFには術後の吻合部造影の側面もあり,今後積極的に症例を積み重ね,歯科 耳鼻科 リハビリ科と協力し食道癌術後の嚥下機能の回復に役立てていく予定である.
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