演題

当科における食道扁平上皮癌術後合併症と予後との関連性に関する検討

[演者] 土屋 雅人:1
[著者] 河口 賀彦:1, 赤池 英憲:1, 中田 祐紀:1, 平山 和義:1, 藤井 秀樹:1
1:山梨大学医学部 外科学講座第一

【目的】これまで食道癌術後合併症と生存率との関連性について報告されてきた.今回我々は,当科における食道癌の術後合併症が予後に及ぼす影響について検討した.
【方法】2006年から2016年の間に根治的食道亜全摘術が施行された,初発食道扁平上皮癌症例188例を対象とした.予後因子については術後合併症,食道癌進行度,併存疾患の有無,術前治療,術後治療を対象として検討した.統計解析はKaplan-Meier法,Cox比例ハザードモデルを用いて検討した.
【結果】対象症例の内訳は,男女比は166:22,年齢中央値は68歳,癌のステージは0,1,2,3,4aがそれぞれ24,40,52,51,21例で,観察期間中央値は896日,生存期間中央値は2620日,5年生存率は55.6%であった.全症例での術後合併症と全生存期間の検討では,単変量解析では縫合不全,肺炎が有意に予後不良であった.単変量解析でP値が有意であったT因子,N因子,肝臓疾患併存有無,腎臓疾患併存有無,糖尿病併存有無を加えて行った多変量解析では,縫合不全[HR 2.82, (1.52-5.21)],肺炎[HR 1.93, (1.08-3.45)],T因子,肝臓疾患併存有無,腎臓疾患併存有無,糖尿病併存有無が有意な独立予後規定因子であった.Stageごとの層別解析を行ったところ,Stage 4a症例において,単変量解析で縫合不全が有意な予後不良因子であった.単変量解析でP値が有意であった肝臓疾患併存有無と腫瘍の占拠部位を加えて行った多変量解析では,縫合不全[HR 7.58, (1.42-40.0)]のみが有意な独立予後規定因子であった.
【考察】今回の検討では,全症例の検討で縫合不全,肺炎が,またStage 4a症例では縫合不全が,食道扁平上皮癌根治切除術症例における有意な予後規定因子であった.縫合不全,肺炎を防ぐことが,食道扁平上皮癌の治療成績向上に貢献するものと考えられた.
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