演題

胸腔鏡併用食道癌手術における術後反回神経麻痺の危険因子と予防方法

[演者] 齋藤 慶幸:1
[著者] 竹内 裕也:1, 福田 和正:1, 須田 康一:1, 中村 理恵子:1, 和田 則仁:1, 川久保 博文:1, 北川 雄光:1
1:慶應義塾大学医学部 一般・消化器外科

【目的】反回神経麻痺(RLNP)は食道癌手術における合併症の1つであるが,その多くが左に生じることが報告されている.反回神経(RLN)は太さ1,2mm程度の細い神経であるが,食道癌へ胸腔鏡下手術が導入されるようになり,拡大視することで症例間でのRLNの太さの違いをより実感できるようになってきた.今回,我々は左RLNの太さと術後の左RLNPとの関係を検証した.また,胸腔鏡併用食道癌手術においては多くの施設で右胸腔よりアプローチし,左に先行して右RLNが露出される.そこで右RLNの所見から左RLNPの予防方法につき検討した.
【方法】2012年1月~2014年12月に当院で胸腔鏡併用食道癌手術を行った84例を対象とした.当院ではRLNを露出する際にペンタックス・リニューRシリーズの鋏チップを使用しており,手術動画を元に鋏とRLNの太さの比をとることで神経の太さを計測した.
【成績】術後左RLNPは40例で生じた.単変量・多変量解析において細い左RLN(<1.5mm),女性,肥満に有意差を認めた.次に右RLNと左RLNの太さを比較したところ,右RLNの太さと左RLNの太さは相関関係を認め(P<0.001),右のRLNが細い症例では左のRLNも細かった.
【結論】女性や肥満,細い左RLNなど高リスク症例では106rec郭清をより慎重に行う必要がある.右106rec郭清時に右RLNが細い症例では,左RLNも細いと心得て,RLN露出時に牽引や熱損傷等のRLNへの負担を回避すること左RLNPを回避し得ると考えられた.
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