演題

当科における食道NEC症例の検討

[演者] 菊地 望:1
[著者] 齊藤 正昭:1, 高橋 洵:1, 福田 臨太郎:1, 石岡 大輔:1, 清崎 浩一:1, 宮倉 安幸:1, 野田 弘志:1, 力山 敏樹:1
1:自治医科大学附属さいたま医療センター 一般・消化器外科

【背景】
消化管原発の神経内分泌癌(NEC)はしばしば散見されるが,NECを含む食道小細胞癌の予後は不良とされている.今回の目的は,当科で経験した食道NEC症例を解析し,予後を含めた臨床病理学的特徴を明らかにすることである.
【対象】
2006年1月から2015年12月までに,当センターで食道悪性腫瘍と診断された症例627例中,組織学的にNECと診断された12例を対象とした.臨床病理学的特徴,治療方法,予後について検討を行った.
【結果】
12例の年齢中央値は63歳(52-78歳),男性7例,女性5例であった.腫瘍占拠部位はUt領域が1例,Mt領域が8例,Lt領域が3例であり,腫瘍径中央値は50mm(10-110mm)であった.壁深達度はT1:3例,T2:2例,T3:4例,T4:3例であり,リンパ節転移はN0:3例,N1:1例,N2: 4例,N3:3例,N4:1例であった.臨床病期ではStageI 4例,StageⅢ 2例,StageⅣ 6例であった.検索できた範囲における免疫組織化学的検査では発現陽性率はchromogranin A 50%,synaptophysin 71.4%,CD56 71.4%であった.
治療内容は,術前化学療法と手術療法が2例,手術療法と術後補助化学療法が1例,根治的化学放射線療法が4例,化学療法単独が5例,緩和治療が1例であった.12例の全生存期間中央値は16.1ヶ月で,手術症例の平均生存期間は40ヵ月(16-82ヵ月),根治的化学放射線療法例の平均生存期間は38.7ヵ月(17-64ヵ月),化学療法単独の平均生存期間は5.9か月(2-14か月)であった.5例で遠隔転移が認められ,肝転移5例,リンパ節転移3例であった.5年以上の長期生存例が2例認められ,それぞれ手術,化学放射線療法施行の例であった.
【考察】
食道NEC症例の予後は,食道癌と比較し不良であった.予後改善のためには,手術療法,化学療法,放射線療法による集学的治療が不可欠であり,さらなるレジメンなどの工夫も必要であると考えられた.

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