演題

食道胃接合部腺癌症例の治療成績の検討

[演者] 菊池 真維子:1
[著者] 中島 政信:1, 室井 大人:1, 高橋 雅一:1, 山口 悟:1, 佐々木 欣郎:1, 土岡 丘:1, 加藤 広行:1
1:獨協医科大学第一外科

【はじめに】食道胃接合部癌は増加傾向にあるものの,組織学的に異なる癌を解剖学的位置でまとめたものであり,明確な至適治療方針は規定されていない.当科における食道胃接合部腺癌手術症例についての術式と治療成績の検討を行った.
【対象】2000年4月から2016年3月までに,当科において根治手術を施行した食道胃接合部腺癌Siewert typeⅡ症例32例を対象として,臨床病理学的各因子,術式,予後の検討を行った.
【結果】年齢中央値は60.5歳(42-81歳),男性26例,女性6例,腫瘍占拠部位はE:5例,EG:6例,E=G:5例,GE:15例,G:1例であった.組織型は乳頭腺癌:3例,高分化腺癌:11例,中分化腺癌:8例,低分化腺癌:2例,粘液癌:3例,Barrett食道腺癌:5例,選択術式は右開胸開腹:6例,左開胸開腹:6例,食道抜去:1例,開腹のみ:18例,ESD:1例であった.病理学的壁深達度はpT1:11例,pT2:7例,pT3:13例,pT4:1例であった.リンパ節転移は17例(53.1%)に認められ,頸部リンパ節転移:2例(いずれもEG,pT2・T3),上縦隔リンパ節転移:2例(EG/pT2,GE/pT3),中縦隔リンパ節転移:2例(EG/pT3,GE/pT3),下縦隔リンパ節転移:3例(EG/pT3:2例,E=G/pT3:1例),腹部リンパ節転移:15例に認めた.再発は14例(43.8%)に認められ,再発形式は血行性転移:リンパ節転移(頸部/縦隔/腹部):局所:腹膜播種=7:6(1/4/2):1:3(重複あり)であった.再発14例中,リンパ節転移を認めていた症例は11例であった.食道胃接合部腺癌全症例の5年OSは62.4%,DFSは54%であった.腫瘍占拠部位と予後に統計学的な有意差は認めず,腫瘍占拠部位とリンパ節転移部位および再発形式,術式とリンパ節転移および再発形式にも統計学的な有意差は認められなかった.郭清効果指数は,頸部リンパ節:2.83,上縦隔リンパ節:2.83,中縦隔リンパ節:2.83,下縦隔リンパ節:4.25,腹部リンパ節:22.65であった.
【まとめ】本検討では腫瘍占拠部位や選択術式に差はないものの,病理学的リンパ節転移は腹部に多く,食道胃接合部腺癌においては腹部リンパ節郭清が重要である可能性が示唆された.症例数は少ないものの縦隔リンパ節の郭清効果は下縦隔がやや高く認められた.また,術後の血行性転移およびリンパ節転移が多く,補助化学療法施行についての検討が必要と思われた.
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