演題

長径4cmを超える食道胃接合部癌に対するリンパ節転移,リンパ節再発の検討

[演者] 平山 和義:1
[著者] 河口 賀彦:1, 赤池 英憲:1, 中田 祐紀:1, 土屋 雅人:1, 藤井 秀樹:1
1:山梨大学医学部 外科学講座第一

【背景】長径4cm以下の食道胃接合部癌に対する手術療法に関して,2014年5月改定第4版の胃癌治療ガイドラインにおいてリンパ節郭清の暫定的基準がアルゴリズムとして示されている.しかしながら,長径4cmを超える症例に対しては未だ基準が示されていないのが現状である.【対象】当科において2001年1月から2016年5月に手術を施行した長径4cmを超える特殊型を除いた食道胃接合部癌34例を対象とした.食道胃接合部は切除標本より決定した.なお,当科の方針としては,EG症例(以下EG)では食道亜全摘,GE症例(以下GE)では胃全摘+経裂孔的下部食道切除を基本術式としている.腹部リンパ節転移が高度なEGや食道側への浸潤が高度なGEでは食道亜全摘+胃全摘を施行した.またE=G症例(以下E=G)では浸潤の範囲やリンパ節腫脹の範囲などから術式を決定している.【結果】腫瘍長径中央値は60mm,観察期間中央値は398日であった.占拠部位はEG 9例,E=G 6例,GE 19例,組織型は扁平上皮癌6例,腺癌28例であった.食道亜全摘は10例,胃全摘+経裂孔的下部食道切除は16例,食道亜全摘+胃全摘は6例,胃全摘+左開胸下部食道切除は2例であった.27例で郭清リンパ節に転移を認めた.長径4cm以下の症例で示された暫定的基準のリンパ節郭清範囲を超えるリンパ節転移は2例に認め,それぞれEGでの頸部リンパ節,GEでの大弯リンパ節であった.また,いずれの症例でも大動脈周囲の郭清リンパ節に転移を認めた.術後経過観察中のリンパ節転移再発は5例に認めた.そのうち3例は大動脈周囲リンパ節への再発であった.上縦隔リンパ節再発した1例では局所再発も認めており,局所再発からのリンパ節転移の可能性も考えられた.食道亜全摘,胃管再建を施行した長径75mm大のEGの1例では大弯リンパ節への再発を認めた.【結語】長径4cmを超える食道胃接合部癌に対しても4cm以下の暫定的基準の適用が概ね可能であるが,症例によっては食道亜全摘や胃全摘術,頸部リンパ節郭清を追加する必要があることが示された.さらなる症例の集積・検討が必要と考えた.
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