演題

食道癌術後の残食道早期癌に対するアルゴンプラズマ凝固法の検討

[演者] 最所 公平:1
[著者] 田中 寿明:1, 的野 吾:1, 森 直樹:1, 日野 東洋:1, 門屋 一貴:1, 西田 良介:1, 赤木 由人:2
1:久留米大学医学部 食道外科, 2:久留米大学医学部 胃・大腸外科

【背景】食道癌に対する食道切除再建術施行後の経過中,残食道に早期癌を認めることは少なくない.部位は頚部食道で吻合部近傍となるため,内視鏡的粘膜下層剥離術(Endoscopic submucosal dissection:ESD)などの内視鏡的切除術は困難で,これらの症例ではアルゴンプラズマ凝固法(Argon plasma coagulation:APC)が施行されることも多い.
【目的】食道癌術後の残食道早期癌に対するAPCの有用性を検討する.
【対象】2007年9月から2016年10月の間に当院で食道癌術後の残食道早期癌に対してAPCを施行した12例15病変を対象とした.
【結果】全例男性で初回APC時の年齢中央値は68.5(57-78)歳だった.初発食道癌の術式は右開胸開腹食道亜全摘術が11例,左開胸開腹下部食道噴門切除術が1例,再建臓器は胃管が11例,結腸が1例,再建経路は後縦隔が6例,胸壁前が5例,胸腔内が1例だった.手術から初回APCまでの期間の中央値は753(112-2603)日だった.全15病変のうち組織型はhigh grade intraepithelial neoplasiaが11病変,扁平上皮癌が4病変だった.病変の大きさの中央値は10(5-30)mmだった.APC回数の中央値は1(1-12)回だった.治療時間の中央値は17(4-33)分だった.合併症は全例で認めなかった.
APCのみで根治できた症例が10例で,遺残,再発を繰り返した症例が2例だった.遺残,再発を繰り返した症例のうち1例はAPCを繰り返し行うことで局所制御できており,1例は局所制御不能のため手術を施行した.初回APCからの生存日数の中央値は740(311-3083)日だった.転帰は生存11例,死亡1例(死因は肺炎)だった.
【まとめ】
食道癌術後の残食道早期癌(T1a)に対するAPCは安全に施行でき,病変の局所制御は可能だった.APCは内視鏡的切除が困難な食道癌術後の残食道早期癌治療として有用である.
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