演題

当科における超高齢者食道癌手術例の検討

[演者] 島川 武:1
[著者] 浅香 晋一:1, 宮澤 美季:1, 山口 健太郎:1, 碓井 健文:1, 横溝 肇:1, 塩澤 俊一:1, 吉松 和彦:1, 勝部 隆男:1, 成高 義彦:1
1:東京女子医科大学東医療センター 外科

【目的】近年,社会の高齢化に伴い食道癌症例の年齢層も高齢化している.食道癌手術は高度な侵襲を伴う治療法であり,高齢者は加齢に伴った各種臓器機能低下や基礎疾患を有していることが多く,その手術適応は慎重に決定しなくてはならない.そこで,当科における80歳以上の超高齢者食道癌手術例の現状を検討し,その有効性および安全性を明らかにする.
【対象と方法】1999年1月から2016年12月までに当科で経験した食道癌手術例350例のうち,80歳以上の超高齢者食道癌手術例22例(6.3%)を検討対象とした.検討項目は背景因子(年齢,性別,PS,併存疾患の有無),呼吸機能,臨床病期,手術術式,術後合併症,予後について行った.
【結果】年齢は,80歳から88歳で平均82.8歳.性別は男性が18例,女性は4例.PSは0から1.併存疾患は,高血圧10例,心疾患4例,悪性腫瘍の手術歴5例,糖尿病5例,脳梗塞2例,肺気腫3例を認めた.呼吸機能は閉塞性障害7例,拘束性障害3例,混合性障害3例に認めた.病期はStageⅠが4例,StageⅡが13例,StageⅢが5例であった.術式は右開胸食道亜全摘術+2領域リンパ節郭清 15例,右開胸食道亜全摘術+3領域リンパ節郭清 1例,左開胸開腹食道亜全摘術+2領域リンパ節郭清 2例,経食道裂孔的食道切除術 2例,下部食道・噴門側胃切除術 2例であった.そのうち16例に経腸栄養目的にて胃瘻を造設した.術後合併症は14例(63%)に認めた.内訳は,術後せん妄6例,不整脈4例,肺炎4例,縫合不全1例を認めた.他には乳糜胸,反回神経麻痺,イレウス,吻合部狭窄,偽膜性腸炎,高ビリルビン血症を1例ずつ認めたが,気管切開が必要な重症肺炎は認めなかった.これらの合併症はいずれも保存的治療で軽快した.また手術関連死亡もなく,全例軽快し退院が可能であった.術後在院日数は平均38日であった.また術後1年以内の原病死はなかった.
【結語】超高齢食道癌症例に対する手術は,術前評価,術式の選択,術前・術後管理を適切に行えば有効で安全に施行可能であると考える.
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